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口上とけだるいナレーションから始まり、神様が「良い人間」を探す様子を軽妙なタッチで描いていく。 神様と天使はマイクを使って拡声し、下から光を当てて劇的に。 人間界を描くのは、言葉が終わるたびに人形のように動きを止める役者たち。 やがて話は入り乱れ、いったい誰が「良い人間」なのか誰にも判断がつかなくなり、 突然怪しげな「ガリレオ・ガリレイ」が現れて、事態をひっかき回してしまう。 (写真:大空さん/文章:宇賀神さん)
中 野:とりあえず今のはですね、ブレヒトの作品をいくつかモチーフにして、ブレヒトメドレーと 言った感じで、ぎゅっとブレヒト作品を詰め込んだような感じの作品です。 日比野:ブレヒトっていうのはどういう魅力があるんでしょうかね? 中 野:個人的に感じているのは、当たり前のことをつらつらと積み重ねていってどうにもならなく なってしまっていっていると思うんですよ。当たり前のことを当たり前にみんな言っている んじゃないかなと。 日比野:それはブレヒトの戯曲とストーリーから? 中 野:ストーリーというか発言、戯曲も含めたブレヒトの発言自体が。と僕は思っています。 日比野:2000年11月にワイルダーの「寝台特急」をもとに作品を書いてらっしゃいますが、 僕はまずそれをやるっていうことにびっくりするんですが、これはどういう? 中 野:相当ワイルダーが昔から好きだったんですが、学校で一番初めにやらされた演劇が ワイルダーの「我が町」で、以来ワイルダーが好きで、短編集を読んでて、ああ非常に いい話だなあと思い、いつかやってみたいなあと思って、やってみました。 日比野:ワイルダーと、他に誰か好きな作家っていうのは? 中 野:チェーホフです。 加 納:実はビデオを拝見したときは、僕は反対したんですよ。やめてくれよと。でもぜんぜん 違うんですね。 中 野:ビデオはとにかく映像の資料が無かったので、その場で。 加 納:これは演技的なものっていうのは、題材にする作品によって違ったりするんですか? 中 野:基本的には同じ発想でやってます。人様の台詞なんで大切に言いましょうかという。 加 納:たとえば今やったように台詞ごとに切れてる演技っていうのは、他の作品でも? 中 野:それは今回に限ってです。 加 納:皆さん見てないからあれなんですけど、あのビデオの台詞のやりとりがもっと上手いと 良かったんですけど。これは感想なんですけど、テンション高い演技っていうのは楽なんですよ。 テンション低いんだけれどもある隠れたテンションっていうのがもう少しアピールになると 思うし、いろんなバリエーションでいろんなことができるんじゃないかなあと思って。 日比野:カット&ペーストブレヒトというか、僕はビデオの方がもっとセンスが良かったんじゃないかと 思うんですが、なんか今ひとつコラージュのテクニックというか視点というのが見えて来ないん ですけれども、どういう選択の仕方ですかね? 中 野:今回に関しては、皆に稽古場とかで「ブレヒトっていったら何?」と言ってあげてもらって、 「思いつく単語を言え」って言って、その単語を詰め込んだんですが、ちょっと詰め込みすぎ かなっていう反省はあります。 (記録:宇賀神さん)
にしかど (nskd@enpe.net)