ひげ太夫


■代表者 吉村やよひ
■出演者 吉村やよひ 細川量代 鍵原真澄 神宮陽子 加藤弘子 岡田さわか 荒川より子
■URL http://member.nifty.ne.jp/higedayu/

■プロフィール
'98年から「目もくらむ出し物芸」と銘打って活動。鳩サブレからどしゃ降りまで、あらゆる物を体と声で表現。独自に開発した武術や、ひげ太夫流長唄など見処多数。千年文化芸術祭にて特別都民審査員賞と入選作品賞をW受賞。

■メッセージ
10分間という短いものをやるのは初めて。しかも今日は初めてお会いするお客様ばかり。初めてづくしで、わくわくしております。次回公演は11月29日〜12月2日タイニイアリスにて「頭聞岳(ずもんたけ)」と題して行います。


《プレゼンテーション》

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ひげを書いた女の子たちが一体何をするのかと思ったら、
始まるやいなや、とにかくめまぐるしい「技」の応酬。
いきなりピラミッドを作ったり、棒でカンカン打ち合ったり、
襖が開くのを体現してくれたり、腕がへびになったり、
それが拡大されたり、おまけに民謡を謡い出し、
BGMはずっと本人たちによる怪しげな「和風アカペラ」。
とにかくサービス精神たっぷりに、しかもとても楽しそうに
馬鹿げた世界を見せてくれた。

(写真:大空さん/文章:宇賀神さん) 


《質疑応答》

吉 村:今ご覧いただきましたように、「出し物芸」と銘打ってやっております。
    目や耳に楽しく、ワクワクしていただけるようなもので、残酷なことや、皆が見て
    嫌な気持ちになるようなことをしないように、見ていただいた方が皆楽しくなるような、
    「なんか始めようと思ったよ」とか、「嫌なこと忘れたよ」とか言っていただけるものを
    目指して活動しています。

ウニタ:こういった非常に独特なスタイルの「出し物」を、そもそも考えた背景というか、
    経緯というのはどういう感じなんでしょうか。

吉 村:もともと身体を動かしたり歌ったり暴れたりが好きだったのもあるんですが、
    どうもお芝居を始めてから演劇ってものに違和感をすごく感じまして、見ていたり
    やっていて恥ずかしくなる瞬間が多々ありまして、自分の中で一番はじけられるのは
    何かなと思って。そしたらお客さんと一緒に何かを作って、時間を紡いでいけるようなものが
    一番いいんじゃないかなあと思ったんです。お客さんがおいてけぼりにならないようなものが。
    うちのものはいろんなものを身体でやりますから、お客さん皆が想像力豊かで、それに色とか
    質感とかを想像してつけてくださるので、共同作業になるので、そういうところで、
    舞台の上と線があって、見ていて恥ずかしいなっていうのが無くなればいいなあっていう、
    そういう感じです。

ウニタ:実際の舞台を見たわけじゃないんですが、舞台装置とかは使われずに、人間によって
    それを表現するということなんですか?

吉 村:実際には後ろに台があって、平台を積んで、もう少しマイムにバリエーションがあるんですが、
    ただ、それにこだわらないようにしようとは思ってます。「絶対に道具を使いません」とかに
    すると凝り固まってしまってどんどんつまらない団体になると思うんで、でも今のところは、
    できるだけスピード感が出るように身体で表現しようとは思ってます。

ウニタ:ひげ太夫は旗揚げ当初からこのスタイルなんですか?

吉 村:もともとこの傾向はあったんですが、徐々に濃くなってきました。今一番いいところだと
    思います。(会場笑)

ウニタ:ひげというものへのこだわりはどういったものなんでしょうか。

吉 村:端的に男の人らしくなるにはひげとかもみあげだと思うんですね。男の人と何度かお芝居に
    出たんですが、どうしても女の人は添え物になってしまうんで、それがすごく私はいやだった
    んです。自分が絶対メインでやりたい。やりたいことも活劇だったんで、男の方が戦ったりも
    都合が良かろうと。ヒロインものとかはどうも嫌なんです。それでひげを、強さの象徴として
    ひげを書いています。

ウニタ:欽ちゃんの仮装大賞とかはどうなんですか?

吉 村:かなりライバルです。

今 井:和ものにこだわっているっていうのは何かあるんでしょうか。

吉 村:和ものでも中華ものでもない、広くオリエンタルなものということでこだわってるんですが、
    自分がやっぱりそういうものが好きなので、それはもう説明できないですが、「白いご飯が
    好き」とかと同じでどうしても東洋的なものが好きなので、そういうものを普段から摂取して
    いるので、書くものがどうしてもこうなります。西洋風のものはあまり好きではないので、
    書こうと思っても愛情をもって書けないです。どうしてもこうなります。

松 本:台詞も動きもそうですけども、どこを上手くしてどこを下手にしようとしてるのかが
    ちょっとわかりにくいんですが、どちらかというともっと下手にしてやりたいという
    感じなんですか?

吉 村:あー、それは我々の勉強不足です。

松 本:あまり上手くやろうとはしてないですよね。

吉 村:そうですね、もっともらしい演劇になってしまうのはとっても嫌なので、ポイントポイントで
    抑揚をつけたりとか、発声のしかたを普段とものすごく変えたりとかは気をつけますが、
    その中にちぐはぐな素人っぽい感じとか素っぽい感じがあるのは、それはそれであって
    いいことだろうと思っているんですが、もうちょっときっぱり別れた方がいいという風に
    おっしゃりたいのですよね。

松 本:いやこの先が難しいと思ってね。うまく下手をやるのか、下手なのがいいのか、アクロバット
    だけを上手くなりたいのか、その辺がすごく難しいなあということを思いましたね。

吉 村:やっていく方向としては、今このアクロバットとかも、素人以上玄人未満みたいな中途半端な
    とこにいて、これ以上やるんだったらサルティンバンコみたいに目指さなきゃいけないし、
    これより下なんだったらもうちょっと素人っぽくしてた方がいいしってとこなんで、上なのか
    下なのかではない、ぜんぜん皆さんが、私も今考えつかないような方向性を、ひげ太夫だけの
    方向性を探っていきたいです。

松 本:そうですね。

日比野:歌舞伎とか京劇とかってのは良く見る?

吉 村:はい、見ます。

日比野:多分歌舞伎より京劇のほうが近いと思うんですが、そういうものを完全にオリジナルじゃなくて、
    何かアダプトしながらやるとか、そういうことは?

吉 村:アダプトってなんですか?(会場笑)

日比野:ごめんなさい、要するに改作をして、たとえば「水滸伝」とかね。将来そういうものをやる気は
    無い?

吉 村:あー。面白そうですね。考えてみます。ぜひ考えてみます。

坂 口:今日は10分ですが、いつもはこのスタイルでもっと長くやられるんですか?

吉 村:そうです。

坂 口:どれくらいの時間で?

吉 村:1時間50分ぐらいこのテンションです。

坂 口:見る方はけっこうたいへんですよね。

吉 村:そうですね、「見る方が疲れるよ」っていうご注意を受けますので、少ししんみりしたシーン
    ですとか、ホロリとしたシーンとか、ちょっと優美なシーンとかを入れて、なるべくいろいろに
    なるように、構成は頑張って練っています。

坂 口:ありがとうございました。

(記録:宇賀神さん)


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にしかど (nskd@enpe.net)