審査および結果

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■プレゼンを見終えての感想

舞台上に審査員と司会役の菅沼氏が上がる。
下手から、ウニタ氏、今井氏、加納氏、日比野氏、松本氏、坂口氏、菅沼氏。

司 会:ここで司会のほうを、ガーディアン・ガーデン事務局の菅沼のほうにお渡ししたいと思います。

菅 沼:皆さんこんにちは、ガーディアン・ガーデンの菅沼と申します。出場劇団の皆さんお疲れ様でした。
    審査員の皆さんお疲れ様でした。年々プレゼンテーションのレベルが上がってきてですね。
    ほんとに、楽しい公開審査となるような気がします。それでは、これから3劇団を選んでいきたいと
    思うんですが、まず、全体の感想から一言ずついただければと思います。ウニタさんのほうから
    お願いいたします。

ウニタ:今、菅沼さんがおっしゃられたように、プレゼンテーションそのものの質が年々向上してまして、
    退屈なものはなかったということで、逆にここから選んでいくのが難しいなと思っております。
    ガーディアン・ガーデンのフェスティバルも11回目。私もなぜか長々と9回目の選考委員に
    させていただいておりますが、マンネリにならないようにですね、常に気を引き締めてやって
    いきたいと思っております。
    今回は選考委員がですね、今までは演劇畑の人間と、そうじゃない演劇外部の人という形で
    構成されていたのがですね、今年からわりと全員演劇の専門家の方々ばっかりで、今までは
    演劇外部の人たちが無責任なことを言うのを僕がブレーキをかけながらっていうのを、
    自覚しながらやってたんですけど、今回は逆に演劇の専門家の方が多いんで、やや無責任なほうに
    回ってもいいかなと、もっとも今までも無責任だったんじゃないかという批判もあるかもしれませんが、
    ちょっとそういうことでやりますんで、みんな、あれ、おかしいなと首をひねるかもしれませんが、
    ひとつそういうことでお願いします。

菅 沼:ありがとうございます。それでは今井さんお願いします。今回初めてご参加いただいた感想も
    含めてお願いいたします。

今 井:私はシアター・テレビジョンというところで、いろいろ舞台の収録させていただくということで、
    お世話になっているわけですが、実は若い劇団などはあまり力を入れて私自身は見てきていなかった
    もので、これに参加させていただくときに、芝居全然見てないんですけどいいんでしょうかと
    いうことを言ったんですよ。実際応募してきた劇団の中で、名前を存じ上げてるところは2つぐらい
    しかなかったっていう状況なんですけど、第一次のプレゼンも含めてわりと20代のそれも前半の人が
    たくさんいて、非常に舞台をそれぞれすごい一生懸命やっておられて、とても安心しました。
    頑張ってるんだな、よかった次の世代がいる、という感じがしてとても安心したというのが、
    私の今の感想です。
    一回目の審査の中では私は、10分間のビデオでのプレゼンなので、公演をすべて見させていただいて
    という形ではないので、とりあえずもう少し長く、直接話を聞いてみたいと思うかどうか、あるいは、
    演出家の方とか本を書いた方に会って直接話をしてみたいかどうか、というのをポイントにして
    選んだつもりです。今日もそう意味では、皆さんいろいろカラーがあるんですけど、全編をここで
    公演して見てみたいか、というのを基準にして選びたいな、と思ってます。

菅 沼:ありがとうございました。それでは同じく初めてご参加いただいた加納さん。なかなか若い劇団を
    ご覧になってないかもしれませんが。

加 納:同世代の演劇も見てないんで。僕は、この世界に入っていわゆる、審査という状況に行かなかった
    人なんですよ。2回やそこら見たぐらいで、いいの悪いの言われたくねえよ、という気持ちが僕は
    あるんですね。だから審査と名のつくところには絶対に足を踏み入れないで今までやってきたんで、
    皆さん毎年、50も60も応募してきて、勇気あるなあ、というのは確かですね。
    挑戦するということ、白とか黒とかって言われるの嫌いだから僕演劇やってるようなもんで、
    ほんとに審査って成り立つもんかって疑問があるもんですから、ただまあ僕は、一応現場の人間と
    して、ここどうしたらいいの、という立場で、意見というか印象を言えたらいいなと思います。

菅 沼:はい。ありがとうございます。それでは日比野さんお願いします。

日比野:今、まさに加納さんがおっしゃった通りで、結局この審査で決まることっていうのは、審査員の
    好みでしかない、ということですね。つまり、ここで選ばれたからといって、権威が与えられる
    わけでもなんでもなく、ただ審査員の好みがこの劇団に集まった、ないしはあの劇団には集まら
    なかったということだけの話なので、それほど気にする必要はない。ただその一方で数の力って
    いうのはそれなりに意味がある。つまりここで6人のうち5人がこれがいいと思うことは、
    観客全体にも反映することなので、もちろん演劇はお金のためにやってるわけじゃないですから、
    観客動員数が伸びるとか伸びないとかはどうでもいいわけですが、その一方でやっぱり増えると
    楽しいわけで、そこら辺の割り切り方をやってほしいなあ、と思います。
    今回の感想はウニタさんと同じでレベルがかなり高い。日本の現代演劇っていうのは良くも悪くも
    伝統というものから切り離されていた格好で、個々の表現者が自分の表現したいことをやる、
    演劇という制度、歴史とは無縁のところで、自己表現を行うって形で日本の現代演劇は作られてきた
    わけですが、今回の、フランケンシュタイナーだとかアニュータだとかそういった劇団は演劇という
    制度とか歴史をどうやって相対化していくかということも考えているという点では、新しい流れが
    出てきてるんじゃないかなと思いました。

菅 沼:ありがとうございました。それでは前回に引き続きご参加の松本さん、お願いします。

松 本:自分も含めてなんですけど、新しい世紀になりましてね、古くからある体使った演劇というのが
    はたして面白いのか、これから生きのびれるのか、どういった形のものが生きのびれるのか、
    どういった形のものが未来を示してくれるのか、自分でも現場で悩みながら作ってるんですけど、
    これも審査をしてるのは、若い人のそういう感性が目の前でひとつに見えるというのが僕にとって
    幸せで、審査の基準もその辺から選ばさせていただこうと思ってます。どうも今日はありがとう
    ございました。

菅 沼:ありがとうございます。では坂口さんお願いします。

坂 口:お疲れ様でした。僕はウニタさんと同じくかなり古い審査員になってしまいました。
    ただ、僕は演劇を作ったことはないんで、見る側から自分が見て楽しいかどうかっていうことが、
    ほぼ基準になると思います。ですから10分間、今日、プレゼンを見せていただきましたけども、
    それが一時間、一時間半になったとき、どんな展開になるのかっていうのが気になりつつ見させて
    いただきました。皆さんおっしゃってることですけど、前回今回どんどん面白く、審査そのものと
    いうか、プレゼンしていただくものが面白くなってきていると思います。一人一人の出演者の方も
    きちんと舞台に立たれているという状態になってきていると思います。僕はまさにそういう周辺で
    生活している人間なんで、とっても頼もしく思います。どうもありがとうございました。


■審査員の推す3劇団

菅 沼:ありがとうございました。それでは皆さん今日見ていただいた10劇団の中で、私はここを     推したいというところをまず3つずつ挙げていただいて、そこから議論をしていきたいと思ってます。     では、ウニタさんのほうからそれぞれご自分はこの3つを来年のフェスティバルで見たいという     ところを挙げていっていただけますでしょうか。 ウニタ:今日はプレゼンテーションみんな上手くて気が利いてて、ガーディアンガーデン、最近それなりに     知名度が浸透して出るほうも選ぶほうも大人しくなったんじゃないか、という声も聞こえますんで、     あえて挑発的もしくはバカバカしいある勢いを感じる、揺さぶられるものがある、みたいな意味で     選びました。     まずひとつは、手法においてですね、一応演劇というジャンルにおいては新しいフロンティアというか     ギリギリのところで、なんというか極限的な部分で新しい何かを追求しようとしているポツドール。     プレゼンとして成功したかどうかはともかく、やろうとしていることの志みたいなものに共感しました。     それから、二番目はですね、これはガーディアンガーデンでしか評価されえないであろうというところで     庭劇団ペニノです。何とも言えない単純には笑えないような、不思議なバカバカしさがありました。     それでいて主宰者の方はそれなりにクールであったという気がいたします。     それから3番目、悩みました。やはりプレゼンで面白い、完全によかったと言えるものではなかった     けれども、勢いが感じられるという意味で毛皮族です。プレゼンにおいて、本来持ちえてるパワーを     発しきれてなかったような部分があるんで、これはあとで論議になるかもしれませんが、     一応その3つでございます。 菅 沼:ありがとうございます。それでは今井さんお願いします。 今 井:私は先程も言いましたが全編を見てみたいかという点、それから劇団というのは、今回特に思ったのは、     意外とユニットが大流行で劇団というものをやっているところが、前に比べて減ってきたという印象が     あったんですけど、劇団はある部分のスタイルとか世界とかそういうものを出していくまでの時間とは     結構かかるもんだし、それがでたとき、それをガーディアン・ガーデンのフェスティバルだと、     そこで全部をやるのがふさわしいんじゃないかということがありますので、そういう観点で選んで     ひげ太夫、それからヨーロッパ企画。これに関しては、今回思ったのは脚本を全部読んでみたいなと     思わせるような、本をきちんと書いてらっしゃる方がいるなと。ただ、10分間のビデオのプレゼンだと     そこが面白くても、最後がどうなるかわからないってのがあって、そういう作風の方は、     こういうフェスティバルじゃなくて戯曲賞などに応募するほうが意味があると思ったんですけど、     ヨーロッパ企画さんの場合は、ビデオで見せていただいた作品も今日のも一場面なんですけど、     やっぱり全部見てみたい、面白いだろうと思わせる力があったのと、コントのアンサンブルを     含めてですけど、選びました。もうひとつは悩みました。何がいいとは言えないんですが、     ひとつの独特の世界があるということで庭劇団ペニノ。 菅 沼:はい、ありがとうございます。加納さんお願いします。 加 納:ちょっと悩んでるんですけども。えーっと、なんとなく迷いがないのが庭劇団さんなんですけど、     後の二つはちょっと迷ってるんですが、みんなの聞いてからってのはまずいですね。 菅 沼:日比野さん決まっていらっしゃいますか。じゃあ、先に。 加 納:すみません。 菅 沼:ゆっくり真剣に選んでいただいて。 加 納:はい。 日比野:僕も3つより5つ選びたいんですよ。敢えて3つ。庭劇団ペニノが圧倒的にすごかったです。     ただもちろん難しくて、プレゼンテーションにすごく力を入れていた劇団と、本公演が近かったりして、     本公演の片手間にやってる劇団もあったりするので、一概には決められないと思いますが、     総合的な力というか、本来もってる潜在的な能力と実際のプレゼンと、両方で庭劇団ペニノの表現と     いうのは先鋭的で卓越していたと思います。     あとはちょっと難しいですね。つまり、技術力か表現力かということで、ウニタさんは表現力を     重視するみたいなんですが、僕はどうしても上手さ、というものにこだわってしまう。     才能よりもテクニシャン、芸術家よりも職人であるというところを、それを持ってる表現者、     集団にも心引かれるものがあります。ですから2つ目はヨーロッパ企画です。     ヨーロッパ企画は、これを芸術家的才能と呼ぶのか、職人的と呼ぶのか論議を呼ぶところだと     思いますが、とにかく、先程も言いましたがアンサンブルの作り方っていうのは、この歳で     こういうことができるっていうのは信じられないと思います。三谷幸喜のところの全盛期よりも     もしかしたら、脚本のできは難しいんですが、アンサンブルの作り方という点においては、     サンシャインボーイズの全盛期にかなり近いんじゃないというふうな気もしました。それが二番目です。     そっから先はちょっと迷って、a.C.m.eも僕はさっきは否定的な言い方をしたかもしれませんが、     技術力に驚嘆しました。最終的に選ぶのをまず言います。毛皮族ですが、毛皮族とa.C.m.eというのは     今回かぶってたところあると思うんですね。それはどっちもレビュー形式を使ったということなんです。     レビューの完成度とか、空間の使い方、そういった点でa.C.m.eの表現は非常にすばらしかったと思います。     こういう言い方をしたらもしかしたら怒るかもしれませんけど、ファッションショーの演出をさせたら     この人は多分すごいいんじゃないかと思いましたし、ただ、本来の表現としてのストーリーみたいな     部分が見えてこなかったということもあって、毛皮族は技術的にはいろいろ難癖をつけたいところは     たくさんあるんですが、その技術力のなさを上回って表現したいという部分が出ていた。     それから、僕は今まで本公演を見たことがないんですが、おそらく最悪に近い出来だったと思うんですね、     今回が。ただ、最低ラインのところで見せられるヴィジュアルのセンスのよさみたいなものが     要因じゃないかと。というわけで、ヨーロッパ企画毛皮族庭劇団ペニノです。 菅 沼:ありがとうございました。松本さん、お願いします。 松 本:ビデオを見てるときはどうかなと思ったんですが、目の前で見てみると皆さんが真剣な眼差し、     思想性、代表の方の知性、感動しました、ポツドールです。     それからポツドールがやったあとによく頑張った、あの雰囲気でヨーロッパ企画すごく頑張ったなあと。     僕はあまり芝居見ないんですけどね、会話の中に、背景に絵が広がるというか、それも僕らが     若いころのあのガロ系の劇画の風景が小学校のグラウンドが広がるような、そういう絵を見せる     会話だなっていうのをすごく感じまして、気に入りました。     最後は、皆さんと一緒なんですけど、庭劇団ペニノです。これは白く塗った学生服見たとたんに     OKでした。 菅 沼:ありがとうございます。坂口さんお願いします。 坂 口:はい、まず庭劇団ペニノ。一番強烈な主張を感じました。馬鹿げている中でとっても強い主張を     感じて、まずは庭劇団ペニノ。次が毛皮族。ぜんぜんだめだと思います、今日のプレゼンは。     あんなのではとても困ると思うんですけど、僕らを楽しませてくれる可能性はかなり高いんじゃないか、     いろいろ修正していただければ高いんじゃないか、と思いました。最後ちょっと悩んだんですけど、     ヨーロッパ企画。皆さんがちょっと褒めてるのとは違うと思うんですけど、5人の方のキャラクター     はやっぱりものすごく魅力的ですよね。ただ、やっぱり、こういうこと言っていいのかわからないけど、     どっかで見たことがある感、というのは思いました。そこら辺まだとっても若いので、なんかもっと     いろんなことができる、いろんなことに挑戦していっていただければ、いいと思います。 菅 沼:加納さんお願いします。 加 納:汚いねこんなやり方。ちょっと今の様子を見て、分散させるという意味ではないですけど、     ビデオを見たときはだめだと思ったんですけどパフォーマンスとしてはいろいろ考えてあるなと     思いましたし、次はじゃあどうするというのが見たいという意味で、フランケンシュタイナー。     3番目が、パフォーマンスの段階で批判がでましたが、アニュータさんがビデオとパフォーマンス     と全然違ったんで、じゃあ次どうしてくれる、というのが見たいという意味で、それでアニュータさん。 菅 沼:はい。加納さんは、庭劇団ペニノとフランケンシュタイナーとアニュータですね。     ではまとめさせていただきますと。ひげ太夫が1票、ポツドールが2票。ヨーロッパ企画が4票。     フランケンシュタイナーが1票。毛皮族が3票。庭劇団ペニノが6票。アニュータが1票。

劇団 ウニタ 今 井 加 納 日比野 松 本 坂 口
ベリィギャルド            
ひげ太夫          
ポツドール        
ヨーロッパ企画    
町奴            
フランケンシュタイナー          
毛皮族      
a.C.m.e.            
庭劇団ペニノ
Anjuta/アニュータ          



菅 沼:ということで、まず一劇団は、庭劇団ペニノは決まりということで、

ウニタ:これはもう、変更はきかないですかね。

菅 沼:どういうことですか。

ウニタ:ペニノって誰も推さないかと思ったんで、考えたんですが(会場笑い)、誰もが推すであろうと
    思われたところが意外と少ないんでですね。だめですかね。

菅 沼:一応、このペニノについては、

ウニタ:ペニノは非常にほんとにそそるものがあったんで、極めてこの状況の中では毒だったと思うんですけど、
    逆にそれよりも先に決まるべきものがいくつかあるんじゃないかなという気はしてたんですけど。

菅 沼:今のところですね。得票順にいきますと、庭劇団ペニノの6票。続いてヨーロッパ企画の4票。
    毛皮族の3票。ポツドールの2票。それで1票がひげ太夫とフランケンシュタイナーとアニュータ
    となってます。

ウニタ:僕も加納さんの方式を適用させていただいて、ひげ太夫に○をつけ変えてよろしいでしょうか。

菅 沼:それはどれを。

ウニタ:ペニノを。

菅 沼:ウニタさんが動いたとしても5票入っている庭劇団ペニノについてはどうですかね。
    出場決定ということで、それとも皆さんまた浮気性があってやっぱりこっちっていうのが。

ウニタ:あの僕はね、3つの劇団を選ぶ中で、3番目に議論の末ペニノが選ばれるというのがガーディアン
    ガーデンらしい選ばれ方だとおもうんですけど。最初っからペニノが満票というのはあまりに
    つまらない。そういう考えで、真っ先にペニノが決まっちゃっていいのかっていうことを、
    ホント申し訳ないんですけど。

日比野:敢えて悪口を言うと、僕らは10分のプレゼンテーションしか見ることができなくて、
    これが60分とか90分ぐらいになった場合にどれくらい面白さが続くのかな、っていうのが
    ちょっと不安ではあるんですけどね。非常にナンセンスな会話がずっと続いていくんですが、
    ナンセンスな会話だけでは90分は持たないと思うんですね。ですから僕は少なくとも見てないんで、
    長くなったときに、あのナンセンスが延々と続くのならそれは面白いのかもしれないし、
    逆に話にまとまりをつけようとしてしまってつまんなくなるという可能性が、たとえば、
    猫ニャーとかはたまにそういうことがあるんですが、そこら辺がどうなのかなということは
    ちょっと心配です。

菅 沼:ペニノの票をはずすというわけではないですね。

日比野:はい。

菅 沼:どうですか他の皆さんは。ペニノに出場してもらっていいんじゃないか、それとももう一回
    考えよう、どちらなんですかね。

(沈黙)

菅 沼:よろしいですかね……はい、それではとりあえずペニノは当確ということでよろしいですね。

(拍手)


【ヨーロッパ企画】

菅 沼:それでは、ここからどういうふうにやっていくかですが、(客席に向かい)皆さんすみません、     もともと6時に終了予定だったと思うんですが、この調子でいくと何時までかかるかわかりませんので、     朝まで生テレビ状態かもしれませんが、よろしかったらあとお付き合いください。     ということで、2枠目3枠目を決めていきたいんですが、どうしましょうか。     今多い順にいきますと、ヨーロッパ企画、毛皮族、ひげ太夫とポツドール、の順になりますが、     この4つを議論していきましょうか。     まず票の多かったヨーロッパ企画、これについて皆さんいかがでしょうか。     応援演説、いやちょっと待った、というのがあれば。 (沈黙) 菅 沼:ウニタさんと加納さんは入れてらっしゃいませんけど、どうご覧になってらっしゃいますか 加 納:前後どうなるのかな、なんでしたっけ池田君?最初の、磯野君でしたっけ。彼がどうなっちゃうのかは     気になりますけど、一番面白いところを持ってくるってのは、短い中で見せるっていうときに     考えるんですけど、やっぱり一番自信のあるところを持ってくるというのはやるんで。     だとすると、これが将来的にどっちに、どういうふうに進むのかなっていうのをどこまで考えているのかなと。     本が面白いってのもあるんですけども、あとは役者の演技がどうなっていくのかな、っていう検証が     もっと行われていいんじゃないかな、とは思うんですね。僕は役者なんで、全体の様式っていうか     形式みたいなことも気になるんですけど、今の演技よかったの?っていうのがチェックされてるかな、     っていうのはどうなのかな。そこが気になるんですけど。 菅 沼:じゃあ、主宰の(とヨーロッパ企画主宰の上田さんにふる) 加 納:今の役者よかったの?とか間がちょっと多くない?とか 上 田:はじめは見てて、すごい緊張してるなというのがありました、それから笑いの量に関してもちょっと     ツボに触れなかったかなという、もう何回かやってるんですけど、そういう印象を受けました。     これからどうなっていくかという点に関しては、このお芝居はほんとは30分ぐらいあるんですよ、     その前半の15分ぐらいをぎゅっとまとめた感じなんですよ、で。 加 納:うーんと、あの、どんな劇団になりたいのかな。 上 田:あ、目指すところは、より多くのお客さんに楽しんでいただきたいというのがあるんで、     枠を飛び越えた圧倒的な面白さを目指していきたいです。 日比野:ダメだしはかなりやるんですか。 上 田:はい、やります。 日比野:かなり細かいところまで。 上 田:パーツパーツは細かく作るんですけど、お客さんとの呼吸もあるんで、ルーズに作る部分もあります。 日比野:すばらしいですね。感動しましたよ。 上 田:ありがとうございます。 菅 沼:はい。他の皆さん、ヨーロッパ企画に応援演説などは。あ、すいません。これからなんですが、     ヨーロッパ企画と毛皮族とポツドールとひげ太夫、この4つからあと2枠に入れるというということで     議論していってよろしいですよね。よろしいですかね。はい。ヨーロッパ企画について坂口さんは     いかがですかね。 坂 口:応援ていうよりも、僕は不満な点がたくさんありつつ○をつけたんですけど、あの話であのテンポで、     皆さん納得してらっしゃる方がたくさんいらっしゃるんですけど、僕はだんだん皆さんが先生じゃ     なくなってきちゃった感じで、そういうことがチェックできたほうがいいと思うんですよね。     僕はそういうふうには見えない。でも5人のキャラクターがとっても魅力的だったんで、○をつけたんで、     他に応援演説にはならないけれども。 菅 沼:松本さんいかがですか 松 本:僕はあんまり好きな芝居じゃないんですけどね、ほんとは。ただすごく懐かしい風景が会話の背後に     見えたっていう、その風景がきれいだったっていうんで、あれ一人で日時計になるべきですね。(笑)     発想にまず驚かされて絵が見えてきたというところですね。ただ、ポツドールの後だったんで、     気持ちがすごく暗かったんですよ。暗くてシビアだったんですよ。例えばポツドールがああいう     ひとつの思想でお芝居やってますよね。まあ、芝居かどうかわからんですけど、その後にされて、     よし芝居するで、という気持ちなのか、いややなあという気持ちでされたのか、その辺が、最初の     出だしのあたりにあまり感じられなかったというか。ライブですからね、先の人がこうやったら     こうやろうとか、希望が多少はありますよね。その辺の入り方がね、ポツドールで審査員のほうから     意見がかなり飛び交いまして、ある種の緊張感ありまして、そっからぱっと入る、はいり方がね、     なんかこいつら鈍感やなって感じもありましたね。 菅 沼:ただ、控え室にいらっしゃってご覧になってないかも。 松 本:ああ、ごめんなさい。 菅 沼:ウニタさんはどうですか。 ウニタ:ヨーロッパ企画の内容自体にはまったく批判するものはないんです。21歳の若さにしてあれだけの     ものが作れる才能は感じますが、とりあえず、ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルとはなんぞや     ということを振り返ってみると、事務局からいただいた趣旨によると、将来性、話題性、オリジナリティ     等々、ありますが、僕の場合はさらに演劇ならではの表現として新しいものであるか、というのを     重視したいと思うんですけど、ヨーロッパ企画に関しては、上手い、面白いであろう、全部見てみたい     とは思いますし、京都から東京へ来て公演をやった場合、お金払ってでも見たいという劇団ではあります。     が、逆にヨーロッパ企画の場合、そのままテレビに進出しても成功すると思いますし、主宰の上田さん、     非常に性格もよさそうで、まったく批判するものではないのですが、細かい配慮も行き届いてますし、     脚本家としても芝居に限らず成功していくのではないかという意味においてですね、GGフェスに     出るから出てくるのもいいですけど、もっとまっとうな道もあるような気がします。     それは岸田戯曲賞でも紀伊国屋演劇賞でも読売演劇賞でも何でもいいんですが、GGフェスの場合はですね、     ちょっと違うそういった様式を揺さぶるようなものでありたいという意識が私にはありますし、     GGフェスの性格にも今まで11年やってきたなかであると考えますと、相対的にヨーロッパ企画はですね、     今上がってる劇団と比べた場合、まっとうすぎるのではないかと、ヨーロッパ企画さんに対しては     ほんとに申し訳ない批判ではあるんですが、そういう気がして優先順位としては違うんじゃないかという     気がした次第でございます。 菅 沼:事務局とすると、それほど、まっとうなものを選びたくないという気持ちはまったくございませんので。 日比野:人様の作品にあれこれ言うのは、嫌な性格なんですが、ウニタさんの懸念というのは非常によくわかる     んですが、ヨーロッパ企画を僕が推したのは、そこのところをうまくすり抜けてるから。つまり商業化     路線に走らないんじゃないかなという気がしていて、妙なうねりというか、アンサンブルという言い方     を最初しましたけれど、ストーリーのうねり方がすごく気持ちよかったんですね。     これはいわゆるウェルメイドプレイにはない、なんか妙な方向でぐにゃぐにゃしていく感じがあって、     そこのフレームを大切にしていってくれたら、今ここで賞を出してもそれにふさわしいものになる、     つまり、ウニタさんがおっしゃるようにですね、第二の三谷幸喜としてですね、出て行くという方向性は     あるんですね、でもそういうふうにはならないんじゃないかという気はします。 ウニタ:いや、僕の場合はね、逆に、わりときれいに収まってしまうなと。例えば、だれだれという生徒を出して、     これはダメじゃないかと戻って、次の生徒を出す。その辺が逆にスマートで引っかからないんですよね。     それっていうのは、今の一般の方々が喜ぶようなテンポであってね。うねりとして受け入れやすいものでは     あるんですけど、僕みたいな性格が屈折してるものにとっては引っかかるものがないんですよ。     徹底的に最初の磯野っていう人間に脱線していくとかですね、それで収拾がつかなくなるみたいなことで     あれば、これは一見ウェルメイドなつくりをしていても僕は認めるんですけど、日比野さんが言うほどには、     もちろん三谷幸喜になる必要はないですけど、土田何がしさんになって、それぐらいで落ち着いてしまう、     もちろん、それを超えてほしいって気持ちはあるんで、そういう意味ではもう少し機を熟すのを待っても、     という気がします。

【毛皮族】

菅 沼:はい、ありがとうございます。では、次をどんどん。毛皮族、これはいかがですか。 (沈黙) 日比野:じゃあ、僕は自分の票は変えませんが、もちろんこういう集団に対しての一般的な懸念というのは、     今の勢いとか手クセでやってる部分というのが2,3年後、どうなってるのかっていうのが、     心配なことは心配なんです。私が心配する必要はないんですが、ここで、図に乗らせてしまって     いいのかという気がしないでもない。そこら辺は非常に難しくて、ほんとの才能ってのはいくら     図に乗らせたからって、発展していくんですね。中途半端な才能が失敗するわけで、そこら辺で     おそらく大丈夫ではないかという気はするんですが。手クセの部分ですね。そこら辺がすでに     見えちゃってきてる、というのがあるかな。 菅 沼:他の皆さんはいかがでしょうか。今井さんいかかですか。 今 井:私はこちらの劇団の本公演は見たことがなくて、うわさは聞いて面白いらしいとは。     今日のプレゼンを見る限りではどういう芝居をやりたいのか、そういうのがわからないんで、     本公演を見てみたいという気には今日はならないので。 菅 沼:ウニタさんは本公演も見られていて、今日のプレゼンは失敗だったということですが、     その辺で応援演説を一言二言いかがですか。 ウニタ:そうですね。いや、あまり今日のプレゼンをどうこう応援するものではないし、かといって     まったく応援しないわけではないんですが、流れとして、票の多い順に論じられていくので、     むずかしいんですよ。例えば票の少ないポツドールや、ひげ太夫の重要性というのが論じられたうえで、     なおかつ、プレゼンが100%満足できるものでなかったように見える毛皮族も同じところに     乗せていいかっていうのがあるんですね。その意味では毛皮族よりもまず、ポツドールやひげ太夫に     ついて検討されたうえで、なおかつ毛皮族が残ればいろいろ応援してもいいなという気がします。

【ひげ太夫】

菅 沼:そういう進め方にしましょうか。上からよりも下からということで。ではひげ太夫から ウニタ:ひげ太夫はですね、芸能として上手い方向にいってるなと思う反面、どなたかがおっしゃってましたけど、     必ずしも上手くない。上手くなりすぎるとつまらないし、下手すぎると見世物としてダメという     微妙なところで揺れ動いているというところがおかしかったのと、演劇的に恥ずかしいことは     いやだっていう、そういう志をきちんと持っているのと、基調としてバカバカしさを追求しているところ、     主宰者の人が非常にキャラクターとして面白くて、将来性、話題性においてもオリジナリティにおいても     他の劇団を抜いてたんじゃないかという気がしましたので、ひげ太夫は応援したいと思ってます。 菅 沼:他の皆さんいかがでしょうか 日比野:一次予選のときに実はひげ太夫は6票中5票取っていて、1票というのは私だったんですね。     ひげ太夫という集団のビデオを見た限りでは、なんら評価できるものはないだろうと思っていたんですが、     それはつまり演技が下手だったということ。今日実際に見たら、それは私のずいぶんな勘違いだったと     いうことがわかりました。ただ、演技が上手いか下手かっていうこと、松本さんが非常に上手い     おっしゃられ方をしたんですが、僕はただもうちょっと上手くなってほしいなあという気がします。     こういう言い方は失礼なんですが、花組芝居さんも初期のころはこういう問題を抱えていた、     それでもちょっとレベルの違う話だったんじゃないか、つまり本物の歌舞伎俳優と比べてどうのこうのと     言われるのと、今だと、正直面白そうだからまねているというところからどの程度脱却していけるのか、     というのが心配だったんですね。志の高さとか、意識のあり方は非常に興味深いと思うので、     もう少しがんばって実力を高めてくれたら、絶対に推していた、という感じです。     あとは見た目の作り方ですね。これは難しいんですが、もうちょっと他のお芝居を見たほうがいいと     思うんですね。例えばテアトル・デ・コンプリシテというイギリスの劇団がありますが、そういうところの     演技とか見るといろいろと触発されるんじゃないかなと。僕の感覚で言うとちょっと見た目の作り方が、     例えばキティちゃんとか、あそこら辺はスピードとしていいと思ったんですが、蛇のところとか     もうちょっとテンポ落としてもいいと思うんですね。観客の皆さんの想像力っていうのは量り知りがたいので、     どこまで観客に渡していいのか、どこまでをこっちが作るのか、そのバランスは非常に難しくて     日々苦労されてると思うんですが、そこをもう少し計算してもいいんじゃないかなと思います。 菅 沼:はいありがとうございます。松本さん、いかがですか 松 本:ひげ書いてはるからね。毛皮族ベッピンさんばかりで、ひげ太夫はちょっとあんまりやなとか、     そんなんで見とったんですけど、好きなのはひげ太夫ですね。毛皮族は、こういったら怒るかも     わからないけど、あこがれてる何かがあるんじゃないかなと、既製のもので。     ひげ太夫は、これも悪い言い方ですけど、全然決めてないんじゃないかなと。     ひげ太夫さんのほうが先の道探すのは楽しそうだなという気がします。     そう意味で言うと一番推したいのはポツドールです。今日見せられていやーな思いされた方も     多いかと思うんですけど、彼らがどういう道のりをたどっていくのかっていうのはある意味、     一度見てしまったら見続ける必要があるんじゃないかな、という気はします。     ウニタ君の、GGフェスの趣旨がそういうことであるならばペニノよりもまず一番にポツドールと     いうことで、僕は提案したいです。

【ポツドール】

菅 沼:ではポツドールのほうに話題を進めていきたいと思います。坂口さんはどうのように思われますか。 坂 口:ポツドールの前にひげ太夫の話から。僕はひげ太夫に入れようかすごく迷ったんですね。     中途半端なことを本気でやる面白さみたいなことだと思うんですよ。技術的に上手くなるか、     意識的に下手にするか、どっちがいいかよくわかんないんですけど、今僕が面白いと思ってるのは     その部分なんですね。で、効果音とか人が全部言っちゃったりする、なめたみたいな感じのする     お芝居は非常に楽しいですね。ただ、僕が最終的に○をつけなかったのは、これが30分、40分、     一時間となってきたらつらいよね、って思いました。それが、日比野さんのおっしゃってる技術的な     ことかもしれませんし、そうでないのかもしれません、僕はわかりません。     さらに、毛皮族なんですけども、まったく逆で、やってること特に目新しいことないんですが、     とにかく勢いをつけて思い切り、衣装とかああいう半端なもの穿かないでもっと思い切ってやれば     もっともっと楽しいショーになるし、一時間ぐらい十分持つんじゃないか、というふうに思いました。     それはちょっと見てみたいな、って思ったんですね。     ポツドールについては、いろいろつまらん情報が先に僕の中に入ってきていて、誤解していた部分も     あるんですが、今日見せていただいた感じだと、割といい感じでいい話じゃん、ていうふうに     終わってると思うんですよ。この人たちの本質は、いい感じの人たち。舞台で、こういうことを     やっているわけですよね。それがとってもよく見えて、僕にとってはわかりやすかった。     とってもわかりやすかった。ただ、ビデオで見せていただいたような感じのことが、自分の目の前で     起きるのは、あんまり僕にとっては嬉しいことではない。ということで○はしませんでした。 ウニタ:坂口さんの場合は、見て嫌な気分になるのは許されないって感じですかね。 坂 口:いや、許されないってよりも、やっぱり嫌ですね。 ウニタ:好みとして。 坂 口:はい。 日比野:僕がポツドールに入れなかったのは全く違う理由で、逆に僕はこの手法で先は見えちゃうんじゃないか、     松本さんと違って、見えてしまうんじゃないかと思ったんですよ。質問したときに、なぜ演劇でやるかと     いう話をしたときに、ライブであるからだ、迫力があるからだ、という答えが返ってきたんですが、     実は演劇というのはもうひとつ怖いのは何回もやらなきゃいけないってことなんですね。     もちろんやっている度に、ドキュメンタリーだからある程度設定がずれていくということだと     思うんですが、僕は本公演見てないんで何とも言えないんですが、やってるうちに、生の俳優の     感情を出したいっていっても、すり減っていっちゃう。人間て不思議なものでどんな激しい感情でも     露出し続けることによってなれちゃうってことがあると思うんです。例えば今10回公演であれば、     10回であれば持つかもしれない。ただ、もう少し人気が出て20回公演だったときに、その生の感情を     露出させて20回、もちろん微妙に違えてるとはいえ、そこで何かあたらしいものが出てくるかというと、     逆にちょっとそこは不安なんですね。だからドキュメンタリーがなぜフィルムのほうで発達したのか、     研究者としてしか言えないのでどうしても歴史的に考えてしまうんですが、演劇でもドキュメンタリー     の試みってのは何度かされてるわけですが、映画のほうが勝っちゃってるというのは、映画の場合には     ライブではないけれど一回性というのは保持されるわけですね。例えば、「行き行きて進軍」で     奥崎健三がやってるのを見ると、おお、と思うわけですね。やな気分もするかもしれない。     じゃあそれを、奥崎健三が舞台に出てきて何回も同じことやったらやっぱりなんかつまんなくなって     しまうと思うんですね。演劇はよく一回性だと言うけれど、実は映像の一回性というのがある。     で、演劇の一回性というのは公演という形を取る限りはないんだということを考えた場合、ちょっと     不安がある。 ウニタ:逆に一回性ではない、つまり舞台そのものは一回性であるけれど、何度も繰り返さなくてはいけない     という、映像のドキュメントではなしえないことを敢えてやるっていうところに僕は一番面白さを     感じてるんですけども。やっぱり映像と違うのは、今日の質疑応答でもあったように、客席の反応も     含めてのドキュメントであると。もちろん何度もやってるうちにやる役者のほうはいろんな消耗が     あるでしょうし、場合によっては馴れ合いみたいになる可能性もあると思ってるんで、逆にその部分を     ですね、完全にドキュメントとして主宰の三浦さんが放任するかというと、そこはコントロールするのが     演出家の役割だと思うんですよ。ですから、客もなれちゃいけないんですけど、客にある種空気を     後押しされる形でね、消耗が別の方向に行くかもしれない。その辺は現に駄目な人もあるでしょうし、     思いもよらないいい方向にいくかもしれない。なんだかんだいって舞台舞台がひとつの一回性として     面白いもんになるんじゃないか、という気がするんです。逆に一つの同じことをきちんと繰り返せると     いうというのが、演劇のよさではあるんですけど、芸としてのね。結局、毎回違った偶然性があり、     それを演出家がそれなりに知恵を絞るか気合を入れるかはわかんないですけど、コントロールしてみせる。     その部分で格闘性がスリリングであるし、もうひとつ言うと、これは話が坂口さんのおっしゃった、     好み、見たくない、ということに触れると、客が完全に見たくないという人は見にこないでしょうけど、     これはどうなんだろうという人は見に行ったうえで、これは倫理的に許されないとか、野次馬的になって     もっとやれとかね、観客に対していろんな問いをつきつけて来るというのがあるんですよ。     僕はそういう部分が、それは手法として過去あったかもしれないですけど、例えば寺山修二とかが     観客に対して何か挑発してくるとかね。もちろん寺山修二以前にもありますけども、そういうことが、     実験として忘れ去られちゃったのか、もう終わったこととして、もういいや、ということになったのか     と言うと、そうではなくて、常に舞台の観客との関係性っていうのを考えさせる場っていうのがあっていいと     思うんですよ。それが今の若い人は芝居は上手いけれどその部分を忘れちゃってるなというのがあって。     であれば、表現として未熟であってもそういうほうが芝居として見たいなと思う優先度は非常に高い。 菅 沼:一次審査のとき松本さんは随分批判だったと思うんですが、今日一番で推してらっしゃいますよね。     その変わられたのはどんなところなんでしょうか。 松 本:ビデオのときは、ビデオですからね。日比野さんのおっしゃるようにビデオ自体がドキュメンタリー     だっていう。で、目の前でやるドキュメンタリーっていうのが全然違うっていうのを今日感じまして、     それで入れたんですけど。こういうことじゃないかって思うんですけど、彼らは違うかもわからんですけど、     ある画家がね、限界感じてキャンバス突き破ってその先にはキャンバスが無くって、次からやることが     変わっていったっていう。彼らが演劇というジャンルを突き破ってどこかへいこうとしてるのかどうかは     ちょっとわからないんですけども、こういう作業は絶対いるわけです。だから。そういう意志を持ってる     目をすごく感じました。目つきがすごくよかったので。ああいうことを自分でやっていかないと、     キャンバスは突き破れないんだと、そういうトンネル切り開いていく勇気みたいなものを見ましたので。     こういう人は絶対10年に一回は現れてもらって荒療治をやってもらう必要があるんですよ。     そういう意味では、芝居するのを見るのも嫌だということを主宰の方がおっしゃってましたよね。     悪口言いますけどね。10番のアニュータはリアリズムすごく上手いですよね。別れる前に、いやーん、     とか言う。俺は死んでもああいうことはしたくないね。ああいうのが演劇だっていうのか、あれがいいのか     悪いのかというと、僕は悪いと思う。(ポツドールの)主宰の方はああいうことをライブでやってのけれる     一種の傲慢さというか、役者としての節操の無さというか、それが嫌いだと思う。それだったらまだ     ちんちん出した方がましだと、そういうんだと思う。とりあえず出しとけと。どっちのほうが勇気が     あるかっていう。僕は勝手にこういうふうに解釈してるんですけど。僕も若いとき20代のころはね、     ライブハウスでウンコして自分のウンコを食べたことあるんですけど、(会場笑い)、そのときはすごく     非難されましたけど、今はどっちか言ったらかわいらしいファンタジーやってます。そうでもないですが。     ただ、そういうことをやった人とやらない人のファンタジーは違うと思います。(会場笑い)     特に現在こんなに物があふれている時代でね、苦労せずにやっているっというのをね、逆に体に秘めて、     爆弾抱えてそれをテーマにしてやっていくという方向ぐらいしかないという言い方もできるわけですから、     その辺はぜひ長生きしてくださいという感じです。 菅 沼:今すごく説得力のあるお話だったんですが。加納さんは。 加 納:僕は×なんですよ。あれは、俳優の訓練の過程ですべきものであって、客に見せるもんじゃないですね。     いわゆるリアリズムの演技の訓練の方法なんで、自分の人生をさらけ出して、それから裸になってという、     リアリティの訓練の中にこれと似たようなものはたくさんあるんですよ。あれを一度経ないといけない     とは思ってます。あれを経て僕はチントンシャンと踊ってますけども、あのこと自体はすごく演劇的     なんですけど、その先のことをどうすんだってことになっちゃうと、ビデオ見て、わーってなって、     なんかこれどうなんだろうと思って、ビデオと同じようなことをここでやろうというんだったら     絶対ダメって思ったんですけど、実は、あ、無理だしな、っていう。また単純に泣くっていう、     泣かすっていう事で最初持ってきちゃってますし。すごく気になったのは、今日はこの人を泣かします     という前に、前提があって、彼女は泣こうというテンションで入ってきてるんですね。そこで作られよう     としてるんですよ。泣くって言う生理的な行為をこの場で見せるために、テンション作ってきてるわけです。     でも、こっからはじめますって突込みが入るわけです。泣くテンションを作っている女性のところへ     突っ込んでいく。最終的にわっとは泣きませんでしたけれども、そこのところリアリティはどういう     ところなのかって考えたときに、突き詰めていったときに、虚実いろいろなところが面白いんであって、     あの過程を経ることはものすごく大事でありますし、やってほしいとは思うんですけど、その先のことを     早く考えてほしいというのがあるんです。 ウニタ:加納さんの場合は、演劇にある種の、本来、稽古場であるだろうエチュードでの偶然の要素とかを     舞台の本番ではあってはいけないと思う立ち場ですか。 加 納:アドリブっていうのは、台詞とか、行動で出ない部分ていうのがあるんですよ。同じ台詞言ってても     毎日違うんです。それは僕はアドリブの範疇だと思ってますんで。 菅 沼:一次審査でビデオを見て、実際を見てみたいとおっしゃてた今井さん、いかがですか。 今 井:私、ポツドールはどうしようかすごく迷ったんですが、アニュータがでてきたときにポツドールのことを     とても考えたんですね。アニュータさんがやってたことは、演技、演技としての叩きあいであって、     それを嘘と言ってしまうのかどうか。でも、そのとき、ポツドールさんがやっていることが、     フィクションでないかっていわれると、やっぱりフィクションだと思うんですよね。     フィクションだよ、というお約束事は舞台でやる以上、それは絶対超えられないって決まってるもので。     それで、お客さんが笑うじゃないですか。それが不思議で、どうして笑えるんだろうって思ったりした     んですけど、ああいう私的な、例えば舞台じゃないところでああいう場に立ち会った場合、それで     笑っちゃう人はなかなかいないんじゃないかと思うんですよ。舞台で行われてた場合には笑いが起こる     っていうことはやってらっしゃる役者さんや演出家を抜きにして、やっぱりどこかでフィクションだ     っていうのがわかっちゃっているのがあって、作る側にとっては非常に大事なところだけれども、     なんかどこが違うんだというのを感じたので最終的には入れなかったんですけど。     ただ今日見せていただいた中では、一つの基準に、というか、例えば、ヨーロッパ企画さんは     ポツド−ルのすぐあとで、見たときは、非常に演劇らしい演劇だなっと思ったわけですが、     そういう意味で、どっかで基準になってる物を提示してるのは確かだと思うんです。     だからそういう意味で、すごく迷って結果入れなかったんですけど、選ばれるということに     反対してるんではなくて、選ばれるとしたらそれもアリだと思います。 菅 沼:一通り票の入った劇団について議論してきましたが、どうしましょうか、これから。     ウニタさん、ご提案が。 ウニタ:提案ではないんですけど、松本さんの意外な応援演説がありまして、ますますポツドールが重要では     ないかという気がしてるんですよ、このフェスティバルにおいては。なので、逆に加納さん、日比野さん     といった方の意見をもうちょっと調整、調整と言ったらなんですけど、参考にする必要があるかなと。     今、今井さんがおっしゃられた所詮フィクションじゃないかという、その辺、逆に完全なドキュメントでは     なくて、敢えて最初からセミドキュメントと言ってフィクションという前提の中で、生の感情を極力出して、     結局演じてる役者本人の側に行くのか、フィクションの側に演じてしまうのか、その辺を見る楽しさと     いうのがポツドールという劇団の芝居を見て、初めて生で味わって面白いなというのがあったんですよね。     ですから所詮フィクションであるからこそ面白いっていうのはあります。 加 納:全然存じ上げなかったので、劇場で見て、見るも悲惨な終わり方をする、これはこれで面白いのかと     思っていたんです。ただ毎日違うって言われたんで、それはちょっと待ってと。あれが毎日行われてる     としたら、毎日あのテンション保てるとしたら、ものすごいってことなんで、それだったらわからない     でもないけど、毎日違う、それはじゃあコロシアムでもって奴隷と猛獣が戦って奴隷が死んだって     面白がってるのと…。 ウニタ:あのう、補足すると、「身体検査」というのは毎日違うことをやったんですけど、「騎士クラブ」とか     「メイク・ラブ」ですか、そういったものは、基本的には毎日同じことをやりつつ、日々の微妙な違いが     あるというものだったですね。 加 納:だから違いがどの程度かっていう。それを違いと見るのか同じと見るのかって事じゃないでしょうか。     僕は古い人間なんで、泣いたり怒ったり笑ったりするのは、お客だと思ってるんで 日比野:こういうことだと思うんですね。こういう表現に何歳で出会うか、ということだと思うんですね。     ポツドールの観客層は、こういうのを見て初めて衝撃を受ける人が多かったとすると、それはそれで     尊重しなければいけないことだと思うんですね。ここにいる人たちの反対票というのは、ある意味で、     たとえば加納さんというのは、僕とちょっと似てると思うんですが、そういう表現に随分前に出会って     しまってる。出会ってしまってると、ああもういいな、という感じがしてしまうんですね。     それは個人的なこと言うと、僕は14,5歳のときにアダルトビデオで似たような、一次審査のときの     ビデオのときにみせてもらった、フェラチオするだのしないだのとか、そういうのを14,5歳のときに     アダルトビデオで見てすごく衝撃を受けたんです。アダルトビデオはお芝居の世界であるはずなのに、     ここでは女優が泣きさらして、監督が怒って、ほとんど似たような状況だったんですよ。     なんていうものかは覚えてないんですが、そういう表現ていうのは結構ある。最近でいえば「愛する二人     別れる二人」とか、ないしは「ガチンコクラブ」。あの手のものも似たようなものがある。     もちろん演劇でやることの勇ましさというのを、志の高さを否定するつもりは無いですが、     個人的な問題なんですね。いつこういう表現に出会って衝撃を受けるか。逆に松本さんなんか、     もっと前に出会っているから、今、そういうものを見ると若き火の血が騒ぐというんじゃないかと     いう気もするんですけども。そこら辺のタイミングの問題なんですね。僕はだから5つ選べるんだったら     選んでもいいんですが、3つとなると、好みの問題で外してしまう。 菅 沼:松本さんいかがですか。 松 本:ポツドールはここで落ちても彼らは全然平気だと思うんですよ。審査対象にならなくて大いに結構     という思想あると思いますのでね。落としてもいいんじゃないですか。(会場笑い)     僕はポツドールを推したことに誇りを持って大阪帰ります。でも彼らは全然平気だと思いますよ。     ただ、取らなかったガ−ディアン・ガーデンがバカにされるだけでね。(笑い) 坂 口:僕もポツドールが嫌だって、さっきね。見るのはあんまり見たいとは思いません。だから落としたって     ことでもないんですね。ビデオ見させていただいて、最初の審査のときはぜひ出ていただきたい、     周りにも舞台に立ってる人がたくさんいるわけですから、ぜひ、ポツドールの皆さんに10分間     やっていただきたい、と思ってたんですが、今日見せていただいて、僕は、今日たぶんプレゼンは失敗、     余り上手くいかなかったと思うんですね。それはたぶん時間がもうちょっと必要なのかもしれないし、     ということをふまえても、僕にとっては段取りをつけない面白さっていうのをもうちょっと期待して     いたんですけれども、逆に、退屈したっていうことで×にしました。だから、余り魅力を感じなかった     んですよ。それで、自分が○をつけたものの方を優先して推薦したいという気持ちです。 菅 沼:はい。というところで、はい加納さん。 加 納:すごくいいところというのは、感性といったものが、どこへ行けばいいのかっていうことには     すごく真摯であることは示してますよね。逆に言うと、そういう、自分を精神的に追い詰めて     表現てなんだろう、と行かないで舞台に立ってる役者のほうが多いことは多いですね、今の時代。     本当の自分の感情、心、血みたいなものを一旦、沸かすというところを経ないと、中身がないというか、     演技の引き出しに欠けるというところが出てくると思うんですね。どっかでギリギリな線は     やりっぱなしの部分は持ってないとダメなんですね。例えば、ポツドールのやってることが     非常に新しいと思ってる方が多いということは、そこを経てない人が多いというか、     そこが不思議だと個人的には思いますね。 ウニタ:日比野さんは、個人としてあるセミドキュメント的な映像を見て、それなりの衝撃を受けたけど、     もう舞台で展開される必要は無いと個人的に思われてると思うんですけど、演劇の研究者として     高く尊敬させてもらってるんですけども、ある程度普遍的な部分を含めて、これからの演劇に     客席との関係性において、問題意識をもたらすような演劇はさしあたっては必要ないと思われます     でしょうか。相対的に考えますと、ヨーロッパ企画というのはもちろん面白いし、楽しめるんですけども、     舞台と観客という関係性を、揺るがせるものは特に感じられないんですよ。日比野さんはうねりを     感じられると言うんですけど、その辺を感覚としてよく理解できないというのがあるんですね。 日比野:いやあ、弱点を突かれてる。 ウニタ:僕個人としてですね、例えば、アベックが出てきて、この二人はどこまで本気なんだろうか、     どこまで演出で作られてるものなのかということをいろいろ考える。役者自身においても、     自分の中でも揺らぐと思うんですよ。芝居が終わったあとにどうやって関係を修復しようかとか、     客は見てるから一回ずつ見せなきゃいけないという意識、それから客としても、舞台の上で     ある暴力的なことが行われていたり、いじめ的なことが行われていて、自分自身に対してですね、     倫理的にただ笑って見てていいのだろうか、だけど、これは実際フィクションだから、ちょっと     その外側に立って、笑って見るのがオツなんじゃないだろうか、いろいろ揺れ動きがあると思うんですね。     なおかつ、それが毎日繰り返されることで消耗されるんじゃないかとか、同じでやってけるんだろうかとか、     いろんな想像力を刺激すると思うんですよ。ただ単に面白いものより、僕はそういうものに興味が     わくんですよ。そういったものっていうのは、逆に既成の他の演劇大賞ではなかなか評価されえない     ものだと思いますので、敢えてこのGGフェスで注目していいのではないか、という立場なわけです。 菅 沼:この場で選んでいくことがフェスティバルの意思になっていくと思いますので、ぜひここで議論を     していきたいと思ってるんですけども。 日比野:ヨーロッパ企画について弁護すると、僕は彼らは新しいことをやってると思って、それは、     「うねり」という言葉でしか、言えてないんですけど、物語の作り方として一つの可能性を持っていると     思うんですね、それは非常に危ういところ、ウェルメイド的なところに回収されてしまう危険性は     孕んでいるんですが、今そのギリギリなところでとまっている。別役実、宮沢章夫、いわゆるナンセンス     ですね、そこには行かないと思うんですけれど、そこではないところで上手く脱線するんじゃないかと     いうのを感じたんですね。それが何かというと上手く説明できないんですが、その点でヨーロッパ企画     を推しました。ですからヨーロッパ企画と引き換えにということはできないんですが、今、この表現     (ポツドール)がこの時代に必要かどうかって言われると必要だと思いますね。やっぱりすごい話題を呼ぶ。     僕は加納さんと同じで不感症になってるんですね。この手の表現というのは僕の中ではもう使い古されてる     という感じなんですね。でも、「えんげきのぺーじ」を見ても話題になってるというのは尊重されるべき     ことだとは思います。賛否両論でつまってる。それは劇団には迷惑なことですが。そうじゃなければ     大きくなりますから。だからちょっと難しいですね。個人の思いを優先させるのか、ウニタさんの     おっしゃるようにこのフェスティバルの大儀を優先させるのか、僕は判断をしたいと思います。

■2回目の投票

菅 沼:GGフェスは毎回この公開審査制をとってまして、この場で決めてきたことがすべて意思を     持っていたということですので、やはりこの場で結論を出して、われわれ事務局として意思を     持ってるわけではなくて、意思は持ってるんですがそれを皆さんに委ねるという形になってますんで。     過去を見てウニタさんはそういうイメージを持たれてると思いますが、今回加わった新しい皆さんを     含めて、これからどういった意思を持つのかというということも含めて議論していきたいと思いますが、     そろそろ時間も随分押してきてまして、今、複数票の入っている、ひげ太夫、ポツドール、     ヨーロッパ企画、毛皮族から二つ選ばなくてはならないんですが、どういう選び方をしていったら     よろしいでしょうか。もう一度皆さんから2つずつ挙げていただくか、投票していただいて決めるか、     いろんな方法論があるかと思うんですが。 (沈黙) 菅 沼:ではこの4つの中から2つ選んでいただくということで、再度選んでいただいて挙げていただけます     でしょうか。ウニタさん、よろしいでしょうか。 ウニタ:こんどは、そっち(上手側)から(笑)。 菅 沼:では、坂口さん。 坂 口:僕はヨーロッパ企画毛皮族。 松 本:僕はポツドールヨーロッパ企画ですよ。 菅 沼:一緒ですね。そうですね。 日比野:ちょっとすいません、考えたいんですが。 菅 沼:はい。加納さんは。 加 納:僕は、(考える) ひげ太夫、それから毛皮族。 菅 沼:ひげ太夫と毛皮族。よろしいですか。今井さんは。 今 井:(マイクなしでしゃべるので聞こえない)。 (客席から「聞こえない」との声がありマイクを持ってしゃべる。) 今 井:ポツドールに関しては、観客にも考えさせられるものを提示してると思いますので、選ばれるとしても     反対ではないです。 菅 沼:はい、では、ひげ太夫ヨーロッパ企画で。 今 井:はい。 菅 沼:ウニタさんは。 ウニタ:一つはポツドールです。もう一つはですね、プレゼンの結果を尊重して、ひげ太夫ですね。 菅 沼:はい。日比野さんいかがですか。 日比野:やっぱり、ちょっとごめんなさい。初志貫徹で毛皮族ヨーロッパ企画。 菅 沼:はい。整理しますと、ひげ太夫が、今井さん、ウニタさん、加納さんの3票。ポツドールが、ウニタさん、     松本さんで2票。ヨーロッパ企画が、今井さん、日比野さん、松本さん、坂口さんの4票。     毛皮族が、加納さん、日比野さん、坂口さんの3票、ということですね。     これまで議論していただいて入れていただいた形でも、ヨーロッパ企画が一番票を集めてるんですが。     ついで、毛皮族とひげ太夫が3票ずつ。ポツドールが2票というかたちですが、どうしましょうか。     また割れてしまいました。

劇団 ウニタ 今 井 加 納 日比野 松 本 坂 口
ひげ太夫      
ポツドール        
ヨーロッパ企画    
毛皮族      



菅 沼:一つずつ決めていきたいと思いますが、ヨーロッパ企画に4票入ってるので、どうですかこれ2番目に
    確定させるということについては。

ウニタ:菅沼さんの段取りを考えて(笑)、数を尊重したい。

菅 沼:よろしいですか。それではヨーロッパ企画が2枠目決定ということで。

(拍手)


【毛皮族 VS ひげ太夫 VS ポツドール】

菅 沼:ここからですね。毛皮族3票、ひげ太夫3票ですが。ひげ太夫が今井さん、ウニタさん、加納さん。     毛皮族が加納さん、日比野さん、坂口さん。このひげ太夫と毛皮族、票の上でいくとこっから一つ     ということになりますが、いかかがでしょうか。 (沈黙) 菅 沼:あの、段取りを考えますと、すいません段取りばかり言いまして、ひげ太夫と毛皮族で決戦投票をして、     そこで一つ決めるという作戦もありますが、もう少し理性的に議論しようという方法論もありますし。     それともちょっと待てと。ポツドールがあるという、松本さん、それからウニタさんの強い要望があれば。 ウニタ:議論が深まることはそれなりに意義深いことだと思ってね。あんまりあっさりは、僕は飲まないですけれども。     今井さんが、多少ポツドールに寛容な態度取られてますけれども。 菅 沼:今井さん、変わりはないでしょうか。会場の方は、時間的には大丈夫でしょうか?大丈夫ですね。 日比野:いやまああの、5票だったら絶対間違いなく決まると思うんですけれども、あとはもう、それはあの、     なんというかなあ、5票あったら、僕はその、ひげ太夫と、毛皮族とポツドールに絶対入れるんですが、     あとはもう結局好みということになっちゃうんじゃないですかね。逆に言えば好みということで     落ちた二つは決して選ばれた一つに劣るとか、そういうことはなくて、それはたまたま運命というか     めぐり合わせだったというのが、正しいんじゃないかという気もするんですが。 菅 沼:選び方について提案ありますか。ウニタさんは議論、もう一回しようじゃないかというスタンスですよね。 ウニタ:はい。 (沈黙) 菅 沼:どうしましょうか。 坂 口:もうほとんどしゃべったんじゃないんですか、皆さん。 ウニタ:そうとも言えるんですが、一応3劇団のどこか二つが落っこちるわけですから、まあ逆にその劇団の方も     含めて早く終わってほしいというのであればですね、多数決なり好みなりでもいいんですが、     まだ3つ比べる、比較する余地はあるような気が僕はしておりますが、どうなんでしょうか。 菅 沼:他のみなさんどうですか。もう議論は出尽くした? ウニタ:日比野さんどうですか? 日比野:それは僕は皆さんにおまかせします。 菅 沼:加納さんどうですか? 加 納:いやあ・・・。 菅 沼:もう変わらないということですね。もう皆さんもここまで来ると、もう変わらないですよね? (審査員一同、難しい表情) 菅 沼:そうですよね?じゃあちょっと決戦投票ということで、今ひげ太夫と毛皮族が3票3票入ってます。     この二つで選ぶか、それともポツドール・・・。 ウニタ:だんだん僕一人になってますけれども、僕はポツドールも入れた上での決戦投票にしたいなあと。 菅 沼:皆さんそれでいかがですか?それでよろしいですか?はい、それじゃあ、これでどうしましょうか?     なんかまたあの、変わんないですかね?紙用意して投票にしましょうか?いつも通り手挙げましょうか?     皆さん決めてください。1票です。ひげ太夫、毛皮族、ポツドール、この中で一つ。残りは一枠です。 ウニタ:もしかして2、2、2、で別れたらどうすんですか? 菅 沼:まあそれはその時でまた考えましょう。よろしいですか?それではひげ太夫、毛皮族、ポツドールの     中から一つということで、私が順番に言いますんで、皆さん挙手をお願いします。上からいきます。     ひげ太夫、押されたいという方。 (加納、今井の二人が挙手) 菅 沼:なんか嫌な予感がするんですが・・・。えー、次です。ポツドールを押されたい方、手を挙げてください。 (松本、ウニタの二人が挙手) 菅 沼:えー、もう聞かなくてもわかってますが、毛皮族は。 (坂口、日比野が挙手)

劇団 ウニタ 今 井 加 納 日比野 松 本 坂 口
ひげ太夫        
ポツドール        
毛皮族        


菅 沼:えーっと・・・。

松 本:あのねえ、ひげ太夫と毛皮族、3票3票で別れてるでしょ。その人たちでこれどっちかに決めてください。
    それと、ポツドールやりましょう。

(会場爆笑)

菅 沼:と、松本さんからございましたが・・・、どうでしょう。

松 本:どっちにしても毛皮族とひげ太夫、両方は選ばれないでしょう。僕はポツドール。

菅 沼:ひげ太夫、選ばれてますねえ、ウニタさん。

ウニタ:ええ・・・。

菅 沼:あのう、3票3票でいきますと、加納さんがどちらか、ですね。今井さんとウニタさんと加納さんが
    ひげ太夫押されてて、で、加納さんと坂口さんと日比野さん毛皮族押されてますが、加納さんはどちらに。
    それでポツドールと対決っていうご提案が松本さんからあったんですが、いかがでしょうか。
    加納さんが決めるということになりますけども。

加 納:僕が決めるの?!

菅 沼:今の松本さんのご提案によると。

加 納:(笑う)

菅 沼:加納さんが、ひげ太夫選ぶか、毛皮族選ぶかと。そういうことを言ってらっしゃいますが。

加 納:あのう、ひげ太夫と毛皮族どちらかということなら、じゃ、ひげ太夫で。

菅 沼:ひげ太夫で。はい。えっと・・・最終的に毛皮族は。・・・。(司会、ちょっと困惑。気を取り直して)
    松本さんのご提案はそれでよろしいですか?えっと今、毛皮族か、ひげ太夫どっちかにしてほしいと。
    でそのどちらかとポツドールで選ぼうと。で今加納さんは、ひげ太夫と毛皮族比べると、ひげ太夫だと。
    ということはひげ太夫とポツドールで対決する、というお話になってますけども。よろしいですか?
    これでまた決戦投票ということで・・・。

日比野:ちょっと待って。一応毛皮族、はずされるというのは、今の話良くわからないんで。

菅 沼:そうですよね。日比野さんと坂口さんは、毛皮族が一押しだというふうに押されてらっしゃるので。

日比野:あのう、つまり、こういう風に切羽詰まってくるとですね、集団としての志の高さとか、それから逆に
    あのう、どこまで追い詰められて表現をしてるかとか、そういうことに焦点がどうしてもいきがち
    なんですが、その点ではもちろん、ひげ太夫やポツドール、私は高く評価しますが、その一方で、
    この世界はやはり才能を持っている人の勝ちだっていうのもあると思うんですね。
    表現として一生懸命やってる人と、それから、別に毛皮族が一生懸命やってないっていうわけじゃ
    ないですが、一生懸命やってなさそうに見えてもなんかすごいことをやっている集団ていうのが
    あるとしたら、それはやっぱりその、「頑張ってます」ということで評価はしてはいけないと思う。

ウニタ:あの、僕、毛皮族、この3劇団の中では最も面白いと思う立場ですが、やはりちょっとプレゼンが
    どうしても、皆から満足が得られなかったということで、一応、この劇団の通常の活動もさることながら、
    今回のプレゼンテーションていうのをそれなりに尊重すべきではないかと思うんです。
    で、毛皮族は、100%観客なり選考員を納得させる形で選ばれるべきではないかと。歓迎されて。
    そういう気がするんです。ですから、僕も個人的な思いとは別に、毛皮族はまあ、まだまだチャンスはあると。    かつて落選して、もう一度トライして通過した劇団はいくつもありますんで、そういう意味では、
    今後全員に納得される形で、トップで、選出される可能性が毛皮族にはあるんじゃないかと。
    そういう気がしてます。

菅 沼:坂口さんいかがですか。

坂 口:それはなんかウニタさん。ちょっと話の筋が違うと思いますね。どっちがいいとか悪いということよりも、
    そういうことで言えば、ポツドールさんもやっぱりプレゼンテーションはあんまり上手くいかなかったと
    僕は思ってるんで、もうそういう比較ではないと思うんですけれども。

ウニタ:バランスではないでしょうか。つまりプレゼンテーションが全てではないんですけれども、まあ、
    その劇団の目指してる方向性なりね、問題意識みたいなものも加味しつつ、だからといって
    プレゼンテーションは全く無視できないと。そういうことですね。

菅 沼:そうですね。結局今井さんと加納さんひげ太夫で、もうそれは変わらずで、ポツドールはウニタさんと
    松本さんお二人で、毛皮族は坂口さんと日比野さん。この票はもうどうしても変わらないという感じ
    ですかね?

松 本:あなたが決めればいい。

菅 沼:はい?(面食らう司会)ということは私が決めてしまうという・・・。

(会場爆笑)

菅 沼:いや、それはちょっと。一応審査員ということで皆さん名前を連ねていただいてて、私は審査員では
    ありませんので、私に審査されるということに関してはちょっと・・・。

ウニタ:あの、2番目に押す劇団の数で決めるというのは。

菅 沼:なるほど!はい。今のご提案いかがですか。

日比野:それはもう、投票なりなんなりで、絶対に影響されないというのでやりましょう。

菅 沼:はい。どうですか今のご提案。次はどこを押すかというところで、単純に票が多いところに決定と
    いうことでよろしいですかね。で、必ず一応記名にしていただいてということでよろしいですか?
    はい。じゃあその方法を取りたいと思います。あの、投票用紙を。

(投票用紙が配られる。緊迫した空気の中、投票が行われる)

菅 沼:はい。それでは読み上げさせていただきますと、ウニタさんが毛皮族。それからポツドール一票入りました。
    名前はちょっと後で。ポツドール。ひげ太夫。ひげ太夫。(会場苦笑)・・・毛皮族。

(会場騒然)

菅 沼:事務局の不手際で審査員を偶数にしてしまったので・・・。なんでここまで・・・。
    ということは今度3番目に挙げるところ・・・。同じですよね。同じですね。
    ・・・まあフェスティバル4週間今予定にありまして、3週間3枠使って3劇団選ぼうかと思ったんですが、
    まあどうしても決まらないということであれば、この3週間を2劇団に使っていただくという手もありますし、
    またそれをバラすという可能性もあるんですが、そういうやりくりもできますが、それに関して皆さん
    いかがですか?

ウニタ:あの、制作の事情はともかく、バラして3週間ていうのはいかがですか?もしくはもう一つなんか
    企画されてますよね?それ含めると4週間になりますよね?4週間を5劇団。なんか上手く平日も含めて。
    というのはわりと決めやすいですね。

菅 沼:今こちらが用意してる4週間を使って、5劇団を並べるというご提案ですね。ちょっとそれ今、こちらで
    考えなきゃいけないところなんですが、もしくは劇団ぺニノとヨーロッパ企画、この2劇団はもう
    きまってますので、この2つで3週間使っていただくという方法論もありますが。

ウニタ:或いは、ヨーロッパとペニノについては1週間づつ規定通りやっていただいて。で、残りの1週間を3劇団で。

(会場爆笑)

ウニタ:もう、その辺は多分、まあ辞退されるということであれば別ですが、少なくともやりたいということで
    あれば、上手く3劇団で調整可能なのではないでしょうか。

菅 沼:という考え方がございますし、もう一度議論してお互い説得して、もう1劇団選ぼうではないかという
    考え方もありますが。

坂 口:たくさん見られた方がいいんじゃないですか?

菅 沼:ということは、5劇団。

坂 口:僕はそれでいいと思います。

日比野:僕もいいと思うんですが、1週間で3劇団をやると、ウィークデイと週末で集客力にかなり差が
    出ちゃうと思うんですよね。

ウニタ:カレンダー見てないんでちょっとわかんないですけど、祝日とかそういうのは無いですかね?

菅 沼:ちょっと、一回、あのう、2時間くらい議論してますんで、ちょっと一回休憩はさんでいただいて、
    その間に我々の方でもその辺の対応を考えるということでいかがでしょうかね。

ウニタ:そうですね。わかりました。あの、自分はウィークデイでもいいと、かって出る劇団があれば、
    それはもう尊重します。そうすると丸くおさまります。

ナオミ・カリフォルニア(毛皮族):何ステージできるんですか?

菅 沼:ちょっとすいません、スケジュール的になんとかなるかってところを検討したいと思いますので、
    とりあえず10分間、休憩にさせていただいて、その間に心変わりがあれば大歓迎ですが、とりあえず
    10分間休憩にさせてください。

(休憩)

菅 沼:えー、なんとか上手くスケジュールが調整できればという形でお話させていただいたのですが、
    スケジュール的にはですね、どうしても厳しくて、3劇団に1週間やっていただこう思うと、
    実質まあ水木金土の4日間しか空いてなくてですね、結局はもう1日で仕込んで公演やって
    バラしてっていう形になってしまうんで、それはあまりにも厳しいと思ってまして、
    事務局からの提案なんですが、もうここまで来たら審査員の手では決められないだろうと。
    いうことで、劇団に委ねたらどうかと思ってまして、単純に3劇団の中から一つを選ぶために、
    3劇団にクジを引いていただいてですね、(会場ざわめく)それで決めたいという風に思ってるんですが
    いかがでしょうか。

日比野:確認をしておきたいんですが、5劇団、まあ最初の2つは別として、その3劇団は同等に選ばれた
    ということは明記するんですね?

菅 沼:そうですね。実際フェスティバルのチラシを作る際に、その経緯に関してはきちんと広報をしたいと
    思いますので。

日比野:だからえーと、今後の活動において今の3劇団は、すべて受賞したということをおっしゃって
    いただいてけっこうだと。

菅 沼:そうですね、はい。

ウニタ:それでもなんかやらないと後味が悪いっていう気はあるんですが、もう全く建設的な考慮はできないですか。

菅 沼:ええ、ちょっとスケジュール的にですね・・・。

ウニタ:粋なはからいで。

菅 沼:基本的にはスケジュールは4週間とってあるんですが、実はもう1週間についても、過去の劇団の方に
    やってもらうということで話を進めてまして、どうしてもやはり会場の方でも3週間しか空いてないと、
    いう中での判断で、そういうご提案をさせていただいてるんですが。

ナオミ・カリフォルニア(毛皮族):違う劇場でやるとか。空いてるんだったらそこでやるっていうのは。

菅 沼:えーっと、それについては、こちらの方の予算の問題とか、いろいろございまして、できれば
    3劇団の中から1つを決めたいということでございまして・・・。

(沈黙)

菅 沼:それとも、皆さんさきほど票を入れていただいたものが心変わりして、とかっていうことは、ないですよね。

(沈黙)

菅 沼:ないですね。いかがですか皆さん?

(長い沈黙)

加 納:それはだからあの、僕、自分自身が審査の対象になったこと無いんで、審査員なのにあれですけど、
    ここで賞取ったの取らないのって・・・。それからどんどんお客さんを増やしていって、大きくなれば
    いいんじゃないんですか。そう思うんですが、どうですか。

菅 沼:そうおっしゃると・・・。

加 納:だから、クジで決めたとして・・・。そんなこと、クジだから運が無かったから悔しいとかあっても、
    まあこの機会だけじゃないですしね。長い人生なんだから・・・。じゃあ俺折れろよって話ですけどね。

菅 沼:どうですか今のご意見は。クジ引きでもう決めていただくっていうのは。

坂 口:申し訳ないですが僕らでは決められないっていうことが現実だと思うので、できたらクジ引きで、
    僕は、選んでいただけたらと思います。申し訳ないとは思うんですけれども。

菅 沼:ウニタさんどうですか。

ウニタ:・・・。あの、他の劇団も含めて、客席に判断をっていうのは。

菅 沼:えーちょっとここの中で決めますと、組織票とかっていう問題もありますし・・・。

ウニタ:じゃああの、多数決にすることに賛成か反対かを多数決で決めましょう。

菅 沼:はい。えーと、じゃあ抽選に対して、賛成だという方、挙手をお願いします。

(ウニタ以外が挙手)

菅 沼:はい。よろしいですか?

ウニタ:はい。

菅 沼:はい。ということで、すいません、こちらではなかなか議論を尽くしたんですが、決められなかった
    ということで、主宰者の方、ちょっと前の方にお集まりいただけますか。あ、それであのう、
    まずそれでいいかどうか、皆さんにお任せしたいと思ってるんですが、もううちは降りるとか、
    辞退も含めて。じゃあ劇団の方、前の方に。

3劇団の主宰者が前に出る。
左から、ナオミ・カリフォルニア氏(毛皮族)、三浦氏(ポツドール)、菅沼氏(司会)、吉村氏(ひげ太夫)
菅 沼:それで、今そういう話になってるんですがいかがですか? 吉 村(ひげ太夫):えーと、いやいや、もう最初のお話のときに、1票しか入ってなかったのに、     大敗者復活戦みたいになっちゃって、ここまで議論していただけてすごい嬉しいです。 三 浦(ポツドール):え、そうですね。松本さんとウニタさんが一番で押してくれたんで、それだけでもう。 ナオミ・カリフォルニア(毛皮族):うちも、あんま票入ってない気がするんで、ここまで来られただけで。     なんか申し訳ないんですけど。 ウニタ:あと、奇跡の3劇団合同公演てのは。 (会場大喝采) 菅 沼:それはこの場で決められることでは・・・。 ウニタ:3人がすぐ決められれば。いいなあと思うんですが。 加 納:もう、現場じゃない人はそういうこと言うんだよ。たいへんなんだからそんなこと始めたら(力説)。 ウニタ:話題性としては大きいと思うんですけど。 (3劇団、苦渋の表情) 菅 沼:まあそれは、自分たちがそれでやりたくないということであれば、できないわけですから・・・。 日比野:1ステージずつ3日間やるっていう選択肢も無いわけではないですよ。 沈黙 菅 沼:今日のような状況ですよね、多分。 吉 村:それは、週末がおさえてあるんですよね?そこを、同じステージで、今日のように3劇団やるということですか? 菅 沼:いえ、まあそれは、3日間、それぞれ1日ずつ使っていただいて、その中でできることを     やっていただくという。 吉 村:朝来て仕込んで、夕方夜やって、次の日にはまた次の人がっていう? 菅 沼:そうですね。 ナオミ・カリフォルニア:フェスティバルっていうのはお祭りなんで、せっかくできるならまあそういうのも     いいかなと。 三 浦:制作とかなんとかって問題がありまして、ちょっと僕一人では決めれないんですけれども。 ウニタ:あとは、3時間3つに分けるって手はありますね。ちょっと舞台装置が窮屈しますけど。 菅 沼:それとも、まあ3日間をフルに使うか、皆さんでシェアしてやるかっていう。まあそのシェアの     やり方は僕らが決めることじゃないですが。 ナオミ・カリフォルニア:私はもう、やらせていただけるのなら。 三 浦:えー、スタッフがちょっと・・・。 菅 沼:主宰者ご本人のご希望としては。 三 浦:そうですね。うちは、すごい作りこんできちっとした場でやることにちょっと、よるっていう     スタイルなんで、ちょっとそういう・・・もしこういう(素の)舞台の状態でやれっていうことになる と     ちょっと厳しいっていうのはあるんですが。 吉 村:正直言うときちっと、やるなら3日間やる、やらないんだったらもう落ちたってことを売りに     どっかの劇場を取るとかでやりたい気もするんですが、でもたとえば3つの劇団が、一日ずつの     ローテーションでやると、自分たちが知り得ないお客さんに見てもらえるっていうのもあるから、     それはそれで、縮小公演みたいに1時間ものとかで作るのであっても、意味はあるなあとは思うんですね。     だからちょっと、私はどちらがいいとは選べないです。どちらでも。 三 浦:うちはそれはもう、無理です。落ちたら落ちたで、また別のことに取りかかります。 菅 沼:ということで、シェアすることに対して1劇団でも、意義が出たら一つに決めた方がいいと思うんで、     とりあえず3人でじゃんけんしてもらって、引く順番を決めてもらった方がいいですね。 (3劇団じゃんけん。ひげ太夫、ポツドール、毛皮族の順に) 菅 沼:(クジをチラリと見て)私の汗で印が消えてしまうんじゃないかと思ったんですが、ちゃんと     ついてましたんで。はい。 日比野:順番に引くんじゃなくて、どれか選んでもらって一斉に見たほうが。 菅 沼:そうですね。じゃあ。 吉 村:じゃあ、真ん中ので。 菅 沼:じゃあこれ持っててくださいね。 (三浦、ナオミもそれぞれ選んでクジを持つ) 菅 沼:えー、じゃあいきます。せーの、どん。赤丸がついてます。 吉 村:・・・丸がついてました。 菅 沼:はい。ということで、ひげ太夫に決定ということで、よろしいで すか? (拍手) 菅 沼:はい。お疲れ様でした。というわけで毛皮族に(ブーイング)、あっ、すいません、     ひげ太夫に決定しました。えー、ちょっと、ずいぶん時間もおしてしまったんですが、一言だけ、     話題に上らなかった4劇団について一言ずつお願いします。じゃあウニタさん、ベリィギャルドに     ついて感想なりコメントなりお願いできますか。 ウニタ:はい。僕の中では、ベリィギャルド、次点ですごく、好きでした。最初のあの意表をついた出だし、     あのまま最後まで押し通してですね、あの、出てきた人数全員で、すいませんすいませんすいませんと、     やっていただければ、僕はベスト3の中に、確実に入ったと思いますんで、そこの戦略ミスが     若干残念でしたが、来年以降大いに期待したいと思いますんで、頑張ってください。 菅 沼:では町奴について、今井さんどうですか? 今 井:頭山心中をやりたいということで、それをどういう風にやるのか楽しみにしてたというのは     あったんですけれども、今日のプレゼンテーション自体は非常に楽しめたんですけれども、     わりとそれで満足しちゃったっていうところがあって、これを全部長い作品で見てみたいと     いうことはあんまり感じなかったです。 菅 沼:加納さんフランケンシュタイナーについて。 加 納:演出家のカラーが主張するのが流行りじゃないですか、今の小劇場っていうのは。その中でやっぱり、     翻訳劇のいじりっていうのをするんであれば、役者さんの演技っていうのにもう少し立ち返った方が     いいと思います。そうした方があとあと強いと思うんですよね、残るってことで考えれば。     まあ多少見た目のことも、もう少し派手にした方がいいとは思うんですけどね、今はそっちの方が     売れるから。でも、地道なものも、そういうものもあっていいんじゃないかと僕は思ってます。 菅 沼:日比野さんa.C.m.eについて。 日比野:えー、a.C.m.eはですね、ほんとに僕の中では次点だったんで、そうですね、あのー、プレゼンの     仕方があったと思うんですね。非常にまだ若いので、ベリィギャルドとともに、もう一度応募して     いただきたいなあというのは思います。それとちょっとフランケンシュタイナー、僕一次で     一番強く押したんで、今回選ばれなかった理由を言うと、最後の答えで、役者さんにブレヒトの     イメージを聞くって話をして、そこで僕はちょっとあっと思っちゃったんですけれども、     今加納さんがおっしゃったことはすごく良くわかるんですが、もうひとつやっぱり、もっと演出家の     カラーを出すってことも忘れないでほしい。つまり、ブレヒトをやりたいんだったら、なんで自分が     ブレヒトをやりたいのかってことを演出家、まあ別に演出家じゃなくてもいいんですけど     一人の人がバーッと出さないと集団的なイメージでやられてもなんかよくわからないので。 菅 沼:松本さんアニュータについて。 松 本:僕はさんざん悪口を言います。ビデオを見せていただいて、美術がすごいなあと思って。     きっちり作りこんで。まあうちも美術に1ヶ月も2ヶ月もかける劇団なんで。ただ、美術があそこまで     超リアリズムでいって、演技がいわゆるリアリズムでいいのかっていうのは、僕はそこに疑問を感じましたね。 菅 沼:坂口さん本日の最後の感想と言いますか、まとめを一言。 坂 口:いや感想も何も、遅くまでほんとにお疲れさまでした。ありがとうございました。

■出場の決まった3劇団のあいさつ

左から、タニノ氏(庭劇団ペニノ)、上田氏(ヨーロッパ企画)、吉村氏(ひげ太夫)

【庭劇団ペニノ】

タニノ:どうもありがとうございました。ちょっとびっくりしてるんですけど、あのう、ちょっと、     わかられてしまったりいろいろ見透かされてしまった悔しさもあったりして・・・。     まあ、まあなんとも、良かったんじゃないかと。ありがとうございます。

【ヨーロッパ企画】

上 田:あの、どうもありがとうございました。えー、そうですねあのう、今日(自分たちが)だいぶ     地味でびっくりしたんですけども、本番はもうちょっと派手なのでやりたいと思いますので。     ありがとうございました。

【ひげ太夫】

吉 村:もう自分でも思ってもいなかったんですが、こんなにここで話題にしていただけるとも思ってなくて、     「あいつらがやってよかったね」と皆さんに言っていただけるようにいいものを作ります。     いろいろなことを言っていただいて、それも参考にしながら、ひげ太夫なりの方向性をもっと見つけて、     上手くなるとかもっと下手になるとかではなく、ひげ太夫としてのもっといいものをあみだして     いけるよう頑張りますので、来年の春先、見にいらしてください。ほんとにどうもありがとうございました。


[GGフェス公開二次審査Top]

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にしかど (nskd@enpe.net)