チェルフィッチュ


■代表者 岡田利規
■出演者 山縣太一・難波幸太・佐藤拓道
■URL http://homepage2.nifty.com/chelfitsch/

■プロフィール 
1997年旗揚げ。以来横浜を拠点に活動。2001年、横浜アートライブ参加。同年、横浜STスポットの演劇フェスティバル「スパーキング21」で、岡田がフェスティバルカンパニーの脚本と演出を担当。2002年、アリスフェスティバル参加。2003年、法政大学で『ユビュ王』を上演するフェスティバル「UBU7」に参加。

■二次審査会に際して 
一次審査に通ってほんとうに嬉しいです。今の身体と今の言葉を使って、いつの日か、いまだかつて誰も作ったことのないような作品を、きっと作りたいと思っています。



《プレゼンテーション》

(写真:村岡 結香さん)


《質疑応答》


司 会:はい、どうもありがとうございました。
    それでは、チェルフィッチュの代表の岡田さんです。
    簡単に自己紹介等、どうぞ前の方に出ていただいて・・・

岡 田:チェルフィッチュで脚本と演出を担当している岡田といいます。よろしくお願いします。
    基本的には、今、観てもらったような、「今のコトバ」と、そこから派生する
    「今のカラダ」みたいのを考えて、それをそのまま舞台にのせるということを
    考えながら創っています。

司 会:はい、ありがとうございます。
    それでは、質疑応答に移りたいと思いますけど。はい、堤さん、お願いします。

堤  :セリフを言っている最中に、片足を上げてたりとか、色々、仕草がありますけど、
    あれは指定してある?・・・

岡 田:全部、指定しています。

堤  :アドリブとかそういうんではなくて、
    ずーっと決められている動作をやっているんですか?

岡 田:指定していないものが出ることはあるんですけど、
    基本的には、例えば、片足を上げるとか、全部、指定してます。

堤  :ありがとうございます。

司 会:はい、ありがとうございます。はい、坂手さん、お願いします。

坂 手:片足を上げるのを、最初、いっぺん、下ろしますよね。
    あのタイミングは、決めたとおりですか?

岡 田:はい、だいたい決めてます。はっきりと決めているわけではないんですけど、
    なんとなく脚本のこのへんのエリアで、というような決め方はしています。

坂 手:こんな動きしてる人いるなとか思いながら観てましたけど、シャツを回すのは
    あまり見たことないんですが、ああいう人はいるんですか?

岡 田:それは稽古中に彼がやっていることなので、彼はやってたんです。

司 会:ありがとうございます。天野さん。

天 野:片足を上げるときの、靴を脱ぐ、脱がない、というのは?どんな風に?

岡 田:基本的に、あらゆる動きは、だいたい、やることとやるタイミングは決めていて、
    理由みたいなのはあんまり・・・あるっていうか、ないんですけど。
    ただ、僕が、稽古場でみて、「あ、こういうのはあるな」っていうか、単に、
    エキセントリックなことをやりたいっていうのは思ってなくて、ギリギリ、
    「こういうヤツ、いるんじゃないか」みたいな、のがあるものをやりたいと思っていて、
    ただ、靴を脱ぐっていうのについても、足を上げるとか、他のあらゆる動きと同じで、
    決めているし、タイミングも決めている、全部決めている、ってことです。

天 野:わかりました。

司 会:はい、ありがとうございます。堤さん。

堤  :すみません、聞き忘れたんですけど、衣裳がダサイんですが、

岡 田:はい。

堤  :あれは、どこから持ってきたんですか?

岡 田:基本的には、自前の中で「あ、ダサイな」と思うものを選んでもらっているわけです。

堤  :じゃあ、ああいうダサイTシャツとかを、役者さんたちが自分で持っている、と。

岡 田:はい、そうです。

司 会:ありがとうございます。はい、ウニタさん、お願いします。

ウニタ:えーとですね、この方法っていうのは、方法論というか、方法ですね。
    これは、19XX・・・ちなみに、劇団が結成されたのは・・・

岡 田:97年です。

ウニタ:97年ですか。その頃から、もうこれは確立されていたんでしょうか?

岡 田:いや、違います。2001年3月に打った公演で、初めてこのようなことをやって、
    それ以降です。それまでは、違う方法というか、今はわりと自分の中に、
    「こういう方法」みたいのが、はっきりとあるつもりなんですけど、
    それ以前は、あんまりそれについて自覚してなかったです。

ウニタ:どのようにして、生み出されていったんですか?

岡 田:まず、書く側として、すごく今の口語を、口語が持っている、普通の人が普通に
    口語を話すときの、そのまわりくどさの中に、なんか、それなりの構造があったり、
    ということが面白いってことにあると思って。
    それで、そういったその複雑さを、ある戯曲としてしたときに、
    それをきちんと整頓してしまうときに、そういう豊かさが消えるから、
    消えないまま残したら面白いかなというのと、あとは、「今のコトバ」の感じが
    好きだなと思って。最初は、言葉、こういう言葉から書くっていう戯曲のサイドから
    始めたんですけど、こういう言葉を書いて、実際に稽古してるうちに、
    それにくっついてきて、色々、カラダの余計なモノが出てきて、それも面白いなと
    思うようになって、っていうような段階を踏んで、とりあえず、今のところは
    こうなったっていう感じです。

ウニタ:そうですね、今、拝見していると、コトバもさることながら、カラダの
    ダンサブルな感じの方が、非常に鮮やかに目に入ってきましてですね、
    たぶん、ひとつ前のダンスグループよりも、非常にダンスとして成立してるのかも、
    というぐらいの・・・そこは、今日、非常に感銘を受けたところですね。
    先日、ワタクシは行けなかったんですけども、「ユビュ王」という、
    ジャリの戯曲をやられたそうなんですけど、これも、今の方法でやられたんでしょうか?

岡 田:というより、今回のが、一週間前にやった「ユビュ王」から抜粋したもの・・・

ウニタ:えっ、そうなんですか?「ユビュ王」?

岡 田:「ユビュ王」なんです。「ユビュ王」ってのは、冒頭で、ユビュおやじ、というか、
    夫婦が、ポーランド王を殺すのを奥さんがそそのかして、っていうシーンを翻案したのが、
    今のウチのユビュ・・・

ウニタ:素晴らしいです、ありがとうございます。

司 会:ありがとうございます、はい、すみません、よろしいですか?坂手さん?

坂 手:えっとね、下手の人の名前がね、ちょっと聞き取り難かったんですけど、
    なんていう名前で呼ばれて・・・

岡 田:あ、役名ですか?

坂 手:うん、なんか、「イチくん」とか、「ウチくん」とか、何言ってるのかわからなかった。

岡 田:あ、「イチくん」と言ってました。

坂 手:これは、日本語の「一(イチ)」でいいんですか?

岡 田:ええまあ、何でもいいんですけど、そうですね。
    それは「ユビュ王」をやってたときに、ちょっと、もう少しその作品としてあるわけで、
    色んな・・・派生で、「イチくん」という意味はそれなりに、名前には、それなりの意味を
    持ってたんですけど、今回の10分の作品に関しては、全然、意味ないんですけど、
    「イチくん」って言ってました。

坂 手:「イチくん」最初、どう聞いてても聞こえなくてさ、
    こういう、謎が多くて、面白かった。

司 会:はい、ありがとうございました。はい、天野さん。

天 野:つまり、どこからどこまでっていう範囲が、どこで切っても、どこからどこまでって
    いうのが、すごく曖昧なものだと思うんですよね。
    だから、自分なりに、例えば、今日は10分、どこか、抜粋やったりしたんですけども、
    ここからここまでっていう、その、範囲、つまり、時間ですね、
    どれだけやるかっていうのは、どんな風に決めてます?

岡 田:えっと、どれだけやるか、というのは?どう・・・ごめんなさい、ちょっとよく・・・

天 野:たぶん、今、言い尽くせてないと思うんですけども、
    公演というものは、始まりがあって終わりがあるとする、としますよね、
    で、その、

    <録音機材の都合により中断>

岡 田:だから、はい・・・

天 野:非常に終わりが曖昧になっているために、24時間なり、一年間、ずっと続ける、
    そんなことが可能な感じがするんですよね。

岡 田:あ、可能だった、とは思いますね。

天 野:わかりました。

司 会:はい、ありがとうございます。よろしでしょうか?
    はい、ウニタさん、お願いします。

ウニタ:あと一つですね、空間の使い方なんですけども、
    今日は右端の方でやられて、僕も今日初めて観てですね、
    こういう空間の使い方をするの、すごく面白いなと思って、なんと言うか、
    大きな無の空間と、その隅の方にちょっとうごめく染みのようなものがあるような感じで、
    なんと言うか、東洋思想的なものを感じたんですね。
    創られている方は、どのような効果を狙ってやられたんでしょうか?

岡 田:基本的に、こういうプロセニアムの舞台が、どっちかというと苦手だな
    と思っていて、ただ、今みたいに、その、余白と、余白の中に、
    東洋的なものが・・・してました?ふふふ(笑)
    まあ、ああいうことを、ど真ん中でやるより、なんとなく、
    こう端の方に持って行きたいっていう、なんとなくのセンス、僕の嗜好があって、
    あと、一次のビデオを見ていただいて、審査員の方にコメントをもらった中に、
    空間の使い方に課題があるのではないか、っていう意見をいただいて、
    そりゃそうだな、と思ったんですけど、でも、どうしようという具体的なものは
    よくわからなくて、とりあえず、今日はこうしてみました。

司 会:はい、ありがとうございます。よろしいですか?
    はい、ありがとうございました。

(記録:熊上 みつみさん) 

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