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9月は秋冬物のショッピングと、芝居のゴールドラッシュで多忙な毎日です。 いしだ壱成容疑者がどうこうしたとか、山本亨が骨折ったとか、モメゴトもふんだんな毎日です。 そんな時節の挨拶にかけるわけではないですが、最近の芝居界の時流を見ていると、「オーバードースな舞台」っていうのがウケる傾向にある、と思います。定量のドラッグじゃ足りません、血流ドクドクいっちゃうくらい勢い良くクスリ打っちゃいなさい、っていう過剰な精神的勢いをシラフでつけちゃう芝居。そういう劇団が時代の気分と上手につきあっているんじゃないでしょうか。 例えば毛皮族。前回の「エロエロ大作戦」までの作品群を観てると、とりあえず吐き出すもん、全部吐き出しちゃいましょう、それでスッキリするならば、、、という台詞の濾過作業が全くない芝居ばかりが作られているでしょう。観てる方も変な話、筋なんか全然追わなくなっていく。でもそれでOKなわけ。なんとなく雰囲気的に盛り上がるところを楽しめば、それでいいんじゃない、っていう気分になってくるんです。話はそれますが山海塾とか観てると、気持ちよくなって5分くらいウツラウツラしてしまうことがあるでしょう。で、ハッと起きても、2ミリくらい舞踏手の小指が動いてるだけだったりして、感心することがある。それと同じ感覚を毛皮族を観ていても覚えることがあるんです。つまり、山海塾は削ぎ落としだけど、毛皮族は盛り込み。それで同じことになってることがある。莫大な台詞を左耳から右耳へ、ツーっと流して、ドンドン気持ちよくなっていってトリップして、、、筋からおいてけぼり食らった、しまった! と思っても、大局的には全然問題なかったりする(笑)。そんなんが毛皮族のオモシロイところだと思う。で新作「ハンバーガーマシーンガーンホテル」にも期待値★★★。江本純子がナオミ・カリフォルニアに改名。本名のほうがエロくてイイのに。 疲れた。また今月も無理矢理話しまとめに入り過ぎた。途中で気力削げちゃったわよ。まあ、言いたいことはそんな感じなんですよ。「ブロードキャスター」ばりに、ひとつのキーワードで引っ張っちゃう感じになるけど「過剰」ってことなの。 だから例2としてはMONO(★★★)ですね。この間、取材で土田さん自身が言ってたけど、台詞にリアリティを持たせる時に、重ーく言うんでなくリピートさせることによって意味を持たせるんですって。文学座の人とかが、いかに絶妙な間で「むなしい…」って一言こぼすかって言うことに命かけてるのだとしたら、MONOの役者は「俺むなしいんだよ、俺むなしいんだよ、俺むなしいんだよ、俺むなしいんだよ、俺むなしいんだよ(間)」ってやることによって、つらい台詞を面白く分からせるらしい。余分なスペースを全部台詞で埋めてくことによって、一瞬の間を際立たせる。なんか新作一本書くのに、、ものすんごいエネルギーが必用そうだけど、そういうクドさって日常にはないことだから面白かったりする。 で、こういう無限ループ的なリピテーションの元祖と言えば、少年王者館(★★★★)なわけで。いっつも、ココの芝居を観に行く時は短気な人と一緒に行けないから、と人選を考えちゃうんです。だって絶対言っちゃいけないけど、「はよ先に進めや」って叫びたくなるオッチャンとかいると思うもの。それが面白いところなのよって言っても分からないだろうしさ。っていうか、誰もが「まだかーい」と半ツッコミ入れている状態から、更に長い間ひっぱって、ひっぱって、ひっぱって、で、、、それがようやく切断された時の気持ちよさったら…。かなわないわ。ジラサレル気持ちよさですか。与えられたカタルシスですか。なんか分からないですけど、普通じゃない快楽があそこの芝居にはあります。 今月はそんなところです。体力の衰えと共に、オススメ原稿が短くなっているのは気のせいではありません。ここはひとつスポーツクラブにでも通って、トレーニングに励むとしましょうか。「Sports Illustrated」をいくら熟読しても体力にはつながらない模様なので。ちくしょう。 |