2003年8〜9月のおすすめ芝居

文責:小雪



なんだかずいぶん長い間原稿を落としっぱなしでした。スミマセン。というわけで久 々にオススメ原稿です。すでに開幕したものとか星取り表的には7月の公演なんかも ありますが、ざっくり来月までのオススメ芝居を紹介しておきます。

▼まずは8月納涼歌舞伎第三部「鼠小僧」★★★★ 。二年前に「研辰の討たれ」で大いに盛り上がった中村勘九郎主演&野 田秀樹作・演出コンビの新作です。6月末の記者会見では「まだ脚本ができてない」 とのことでしたが、配役が発表になったところをみるとすでに完成しているのでしょ う。もう今からでは当日券と幕見しかチケットを手に入れる手段はないと思います が、多分今回も盛り上がるのではないでしょうか。
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▼それから「阿修羅城の瞳」★★★★。7月の 星取り表でうっかり三つ星にしてしまいましたが、やっぱり4つにしておきます。主 演以外のキャストはほとんど総入れ替え。なんつったってヒロインが天海祐希さんと いうのが楽しみです。古田新太さんがいないのは残念ですが、伊原剛志さんのほうが 単純にビジュアルでいうならカッコイイでしょうし。後半のアノ見せ場でどれだけ気 迫の入った演技を見せてくれるのかに期待したいと思います。こちらはまだチケット 若干残っているようですし、たしか演舞場は売り切れの場合3階の立ち見で安いチケ ットが出るはずですので、学生さんなんかはそちらに挑戦してもいいかもしれませ ん。
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▼↑二本が東銀座祭りなので、ついでに有楽町で上演中の「レ・ミゼラブル」★★★も。あちこちの舞台でパ ロディやパクリが登場しますので、興味がないという未見の方も舞台ファンなら知識 として観ておいたほうがいいかもしれません。キャストは総入れ替えになってます が、まぁ今回「このキャストは酷い」という方はあまりいないようで、歌のレベルも 一定以上はクリアしていると思います。どのキャストの日に行こうか迷ってる方には ご参考までに。
バルジャン歌だけなら山口祐一郎。演技なら別所哲也。やや若いけど歌も 演技もいいのは石井一孝。歌は良いけど微妙に賛否両論な今井清隆。
ジャベール歌なら岡幸二郎、今拓哉。演技なら内野聖陽。好き嫌い別れそ うなのがややマンガっぽい高嶋政宏。
ファンティーヌ無難なのは井料瑠美。やや若いけどバランスが良 い高橋由美子。歌は良いけどキャラ的に賛否両論なのはマルシア。
テナルディエ夫妻駒田一&森公美子ペアのほうがキャラが立って てインパクトがある模様。三遊亭亜郎&峰さを理ペアは悪くないけどキャラがやや薄 い感じ。
アンジョルラス歌なら坂元健児、ビジュアル的には吉野圭吾。
マリウス、コゼット、エポニーヌあたりは完全に好みの問題でしょうか。個人的には このへんはあまりキャストを選ばずに見ても大丈夫だと思います。ただまぁ7月の時 点で舞台に立ってないキャストもいるのでちょっと比べようがないですが。上記は各 方面の意見を総合したものなので、必ずしも絶対的な評価ではありません。見る人に よって感想や印象は違いますので、参考程度にしておいて下さい。
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▼さてゴリゴリの商業演劇ばっかり紹介してしまったので、小劇場系も。やはり 毛皮族「夢中にさせて」★★★★を見ないこ とにはこの夏は越せません。今回も3時間弱の長丁場でしたが、楽しかったです。や や2幕でダレる感じはあったものの、だいぶスタッフワークもこなれてきて気持ちよ く見られるようになってきたんじゃないかと。個人的には前作「ヤコブ横須賀泥だら けのSEX/毛皮族民主主義人民共和国」のほうが好きでしたが。ただ、前作でやりた いことはやりつくしたんじゃないかという危惧もあったので、きちんとそれを乗り越 えて次の展開を見せてくれたことに満足しました。長襦袢姿でムヤミに舞い踊る姿は 猥雑で美しく「あぁコレが見たかったんだなぁー」と思いました。ま、相変わらず賛 否両論のようですが、この劇団はそれでいいんだと思います。うまく彼女たちの魅力 を表現する言葉はいまだに見つかりませんが、人を好きになることに理屈がないのと 同様、彼女たちを好きになることにもあまり理屈はないように思えるので。
→詳細は毛皮族サイト

▼続いて下北沢つながりで大人計画ウーマンリブ「熊沢パ ンキース03」★★★★。さっそく初日に見てきました。スズナリでの初 演も見ているので「あぁなんだか懐かしいものを見たなぁ」と思いました。出演者に よってセリフなどはずいぶん変わっているとは思うのですが、全体的な雰囲気として は初演のままだったように思います。まだ作風にやや松尾スズキさんの影響があった ころらしい作品というか、後になって続々と登場した“松尾チルドレン”劇団の作風 に似た作品とえいなくもないです。「木更津キャッツアイ」の元ネタ、と思って脳天 気な笑いを期待して行くと、ちょっと違うモノが出てきたと思うかもしれません。
→詳細は大 人計画サイト

▼価格的には商業演劇ですが、出演者は主に小劇場系の「ウィー・トーマス」★★★も楽しみ。脚本は読ん でませんが、あらすじ読む限り結構バイオレンスで面白そうです。これはまだまだチ ケットに余裕がありそうな気配なので、当日券でも大丈夫でしょう。
→詳細はパルコ劇場サイト

▼出演者が小劇場系てんこ盛りといえば、KERA・MAP「青 十字」★★★。これでもかというくらいに小劇場の人々がでてきます。 三鷹がちょっと遠いのがアレですが、初演を見た人が脚本もなかなか面白かったと言 っていましたので、多分面白いのではないでしょうか。
→詳細はナイロン100℃サイト

▼あとはちょっと先の話ですが。9月の新国立劇場がちょっとアツいです。オペラ劇 場の「アイーダ」★★★はこけら落とし公演 の再演ですが、舞台美術がなんかもうとんでもないことになってるみたいですね。人 海戦術の演出も楽しみ。中劇場の維新派「ノクターン」 は久々の東京公演です。ま、屋台村がないので維新派の魅力にちょっと 欠けますが、でも屋外の公演でもあれだけのスタッフワークをみせてくれる劇団です から、屋内ならかなり完成度の高いものをみせてくれるのではないでしょうか。ちな みに「アイーダ」のほうはもう前売券が完全に売り切れていますので、こまめにチケ ット掲示板をチェックするか当日券に早朝から並ぶしか手はありません。 →詳細は新国立劇場サイト

▼ちょっと先ついでに9月のオススメも。KUSHIDA WORKING「コーカサスの白墨の輪」@笹塚劇場★★★は北海道公演のプレ ビュー。串田和美ファンとしては見逃せません。それから蜷川演出の「エレクトラ」★★★★は、なんつっても岡田准一 のオレステスが楽しみです。大竹しのぶと姉弟という設定は大丈夫なのかと思わない でもないですが……。小劇場系ではとりあえずシベリア少 女鉄道「二十四の瞳」★★★は見逃せません。また三鷹ってのが遠いで すが。それからアーノルドシュワルツェネガー「天才」★ ★も楽しみ。前回公演がかなり面白かったので次も期待しています。た だ役者は前回のほうが上手い人が多かった木がするのでその辺がちょっと気がかりで はありますが。それから好き嫌いは別れると思いますがOi-Scale「虹の羽と蛾色」★★も気になります。厭 世観と閉塞感に満ちた作風は、若い客層の一部には熱狂的に支持されそうな予感もあ るのですが。あ、そうそう。少年王者館「それいゆ」★★ ★も忘れてはいけませんね。

というわけで一気に2ヶ月分片づけてしまいましたが。ではまた再来月あたりにお会 いしましょう。

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